パナレア島
ネロダヴォラってご存知ですか?
イタリアはシチリア島固有の葡萄の品種です。
1990年代後半にシチリア島北部にあるエオリア諸島のパナレア島というところにバケーションで滞在した時に知った品種です。
当時から車が走っていないエコな島で、何もない島なのですが建物や街並み(街という街はありませんが)が美しいところです。
ジョルジョ・アルマーニの別荘があることでも有名です。
ドルチェ&ガッバーナの広告にも使われている景色です。
当時は馬車馬の如く働き詰めだったのですが、仲良くしてくれていたボローニャの会社の社長さんが「リラックスも必要だぜ」って教えてくれたところなのです。
モルディブのバケーションも毎日が素晴らしくてリラックスできるのですが、パナレア島のバケーションはボーッとする楽しさを教えてくれます。
隣のリパリ島には星つきのレストランRistorante Filippinoがあります。
何を食べても美味しいし、ドレスコードがないのも嬉しい。
でも、パナレア島のホテルのダイニング(普通2食付きです)で完全に満足ですけどね。

滅多に来ない日本人の子供に皆様が興味津々で、見たことないから可愛く見えるみたいで、ものすごくちやほやしてくれるんです。
お店のお姉さんが「おいでおいで」ってしてくれてアイスくれたり、帽子くれたり、アランチーニ(ライスコロッケ)くれたり…。
そこいらじゅうで愛想を振りまいていました。
私たちはCINCOTTAというホテルに滞在していました。
3つ星なんですけど、皆様がとってもフレンドリーで素敵なホテルでした。
下の写真は全てホテルのWebページからお借りしたものです。





パナレア島では大変なアクシデントがあったのです。
3日目の(1週間滞在しました)朝、前日にワインを飲みすぎた家内と私が寝ているのを横目で見ながら4歳の長男と2歳の長女が起き出して、真っ白なベランダに出てお絵描きをしていたようです。
「ぎゃーーーー」
聞いたこともない娘の叫び声。
「ユリが落ちた」
息子が飛び込んできました。
顔面蒼白(多分)でベランダに飛び出すと、テーブル横の白い壁が血だらけになっていて、顔を押さえて娘が泣いています。
ベランダにあった椅子に座ってお絵描きをしていて、4つ足の2つだけでゆらゆらと遊んでいたら椅子ごと倒れたようなのです。
ベランダの床に段差があって角が直角にシャープな仕上げ。
運が悪いことにそこに目掛けて顔が落ちたわけです。
眉毛と目尻の間の所がざっくりと切れていました。
持っていた救急キット(粗末なもの)で応急処置をして、娘を抱き抱えてフロントへ。
「医者に連れて行きたいのですが、予約をお願いできますか?」
Vorrei portare mia figlia dal dottore, potrebbe prendere un appuntamento per me, per favore?
しばらく沈黙があって
「Non c’è un medico su quest’isola……」
パナレア島には医者がいないのです。
オーマイゴー!!
ですよ。
しかしながら2つの幸運が重なりました。
奥から支配人のような方が出てきて
「今日はパレルモ(シチリア本島の街)から医者が来る日だから聞いてあげるよ」
というわけで、ドクターコトーのような診療所へ。
ものすごく優しいお医者さんが診てくれて
「心配いらないと思うけど、ここで縫ってしまうと傷が残るから直ぐにパレルモへ行って丁寧に縫って貰ったほうがいいと思うよ。女の子だからね」
そんなわけで最悪の状態は脱することができたのですが、次はホテルに戻って病院の予約をとってもらわなくてはなりません。
フロントでその旨のお願いをしていると、あるおじさんが声をかけてきました。
結論から言ってしまうと、ミラノの大学の医学部の教授でプラスティックサージェリー(美容外科)が専門のこの方がバケーションで偶然このホテルに泊まっていたのです。
ものすごく若くて美しい女性が一緒だったのでお忍びだったと思いますが、親切にも声をかけてくれたのです。
「最先端のバイオマテリアルで作られた縫合テープを持っているから貼ってあげる。パレルモには行かなくても大丈夫だよ!!」
部屋に帰って持ってきて、サクッと消毒をしてテープを貼りました。
夕方からは娘も元気で、胸を撫で下ろしたのです。
パレルモから来ていた先生にはお礼のお手紙を書きましたが、ミラノの教授にはその場でお礼をしただけでその後会うこともできず。
翌朝にはチェックアウトされていました。
名刺をいただいていたのですが、手紙を書いて迷惑をかけるのが忍びなくて(パナレアではなく学会に行っている筈だったりしたらまずいでしょ)遠慮しました。
その娘も今は大学院生で、来春就職です。
光陰矢の如しです。
ホテルでは夏の間は朝ごはんも夕ご飯もテラスで食べます。
パスタと魚料理が絶品で、シチリア固有種のワインも最高でした。
そのなかでも私が大好きになったのがネロダヴォラの赤。
魚が新鮮なので赤ワインにもよく合う。
そしてネロダヴォラの太陽を沢山浴びた力強さが料理と合うのです。
日本でも最近見かけるようになってきましたが、1000円クラスのネロダヴォラは期待はずればかりです。
今のところイオングループが輸入販売しているこのネロダヴォラがコストパフォーマンスが一番高い(個人の感想です)気がしています。
1本2000円ちょっとくらいです。

昨日はめっちゃくちゃ忙しかった1週間だったこともあって、帰ってご飯を作る気力もなくなっていました。
イオンリカーに吸い込まれてこいつを手にしてしまいました。
生ハムのコーナーでふと我に帰り、断肉中である事に気がついたわけです。
ブリーチーズを買って、家で幸せな気持ちで嗜んだのでありました。
脱肉弁当
昨日の弁当持ちは私だけ。
脱肉は慣れてきたけれど少しだけ魚を入れました。
サーモンの粕漬を焼いたもの。
チキンなしチキンライスを玄米で作って卵で彩りを調整します。
まだ残っているドラゴンフルーツ入りの蒸し野菜を付け合わせに添えて、あいちゃん農園自慢のラディッシュで彩りを締めました。
チキンなしチキンライスのグリーンピースもあいちゃん農園のフレッシュ野菜ですよ。
デカくて美味しいです。

