完熟の味
今や街の八百屋さんでも買えるようになってきた台湾パイナップル。
もう召し上がりました?
日本ではフィリピン産のパイナップルが安くて美味しいと評判でしたが、忽然とあらわれた感じの台湾産パイナップルもフィリピン産の横に並ぶようになってきましたね。
芯も美味しく食べることができるし、後味がほんのり心地良いココナッツの香りがして、石垣産パイナップルに近い気がします。
何故台湾産パイナップルが日本市場に流れ始めたのかご存知ですか?
台湾を国として認めていないお隣の大国が、見せしめのために突然台湾産パイナップルの輸入を禁止したからです。
おそらくですが、輸入再開を認める代わりに何らかの政治的優位に立とうという汚い揺さぶりを仕掛けたのだと思います。
国も困りますが、農家はもっと困りますよね。
政治的には対立している両国ですが、民間レベルでは関税がかかるようになった今もそれなりに活発な交流があります。
iPhoneを製造しているのは台湾の鴻海精密工業(フォックスコン)であることは有名ですが、実際に製造している工場は中国にあります。
言葉も基本的には同じですから、交流もしやすいのです。
パイナップル農家も大量に買ってくれるお隣の大国を信じ切っていたのでしょう。
この国向けオンリーの農家さんも多くいたようです。
そこで救いの手を差し伸べたのがスーパーマーケットの西友でした。
「輸出できないパイナップル全部買うよ!!」
歴史的にも良い関係を築いてきた両国ですし、メンタリティも日本寄り。
東日本大震災の際には200億円規模の寄付をしてくれた国でもあります。
お礼というより、本当の仲間として助け合う気持ちが民間にあったわけです。
政治が直ぐに動けない情けなさはありますが、我が日本には頼もしい経営者たちがいます。
西友だって今は楽天の三木谷さんが深く関わっていますから、スピード感と目利き(全部売れる勝算)を持っての決断だったと思います。
世界を変えたり、ゼロトゥーワンが全く政治から生まれない情けない国ですが、今までと違う動きに対して敏感にしかも正しく決断できる日本の民間に敬意です。
今は随分と良くなったとはいえお隣の大国の車の運転は自分本位。
ですが台湾の運転は譲り合いが当たり前。
日本の技術を吸収しても決して「我が国固有の技術だ!!」なんてアピールせずにリスペクトする奥ゆかしさと感謝の気持ち。
その反面、自分たちの決断で世界を動かすほどの日本など到底及ばない技術力を保有している国。
TSMCの半導体製造技術はINTELでさえも追いつくのに5年はかかると言われるほどの技術ですし、コーティング技術は世界ダントツ1位の評価です。

民間主導の深い関わり
見出しと内容が合っていないのは承知しております。
具体的な国名も書きません。
コロナ対策でも優秀だと言われた台湾ですが、変異種によって揺さぶられ始めました。
コロナワクチンの争奪戦は台湾にとって出遅れ感がある中、ドイツのビオンテック社製のワクチン確保にお隣の国が邪魔をしているというニュース。
ビオンテックの台湾での販売総代理権を持つのがお隣の国の会社だということで、直接取引に待ったをかけたのです。
シノファーム社製のワクチンを台湾に供給してあげると言ったエゲツない政治的揺さぶりを、より効果的にする狙いだと思います。
日本ではファイザーとモデルナの2社分で国民全員が2回摂取できる量を確保できています。
その上、アストラゼネカ社製のワクチンを国内製造する計画が実現する見込みですから何らかの手を差し伸べるべきではないでしょうか。
先読みできない日本の政治には期待していませんが、民間レベルではお互いの良さを生かして共存共栄できる日本と台湾は痛み分けをしてでも共に歩くべきです。
気を引き締めないと香港のように口を塞がれて、気がつけばあの国の思い通りの街へと変わり果ててしまいます。
私たちにできることは沢山あります。
まずは台湾産パイナップルを沢山食べましょう!!
気の利いた写真がなくて、台北の小上海の小籠包の写真です。
安くて美味しいですよ。
コロナ明けたらまた行きたいです。
台湾というだけの意味のない写真、ご容赦ください。
