ストレスで胃腸が弱る人へ——「加味逍遙散」と肝鬱脾虚という証

「仕事のストレスで胃がキリキリする」「イライラすると食欲が落ちる」「不安を感じると下痢をしやすい」——こうしたお悩みを抱えていらっしゃる方は少なくありません。病院で胃カメラを撮っても異常はなく、「ストレス性ですね」「自律神経の問題でしょう」と言われて、胃薬や抗不安薬を処方されて終わり。けれど、根本はちっとも変わらない。そんなもどかしさを、私自身も家内の介護を通して何度も味わってきました。

今日は「神山先生の教えから」として、ストレスと内臓の関係を漢方の視点から読み解きます。鍵になるのは、「肝鬱脾虚(かんうつひきょ)」という証と、そこに用いられる代表的な処方「加味逍遙散(かみしょうようさん)」です。

西洋医学から見た「ストレス性胃腸症状」

西洋医学では、ストレスによる胃腸症状は「機能性ディスペプシア」や「過敏性腸症候群」と診断されることが多いです。自律神経、特に交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、胃酸分泌や腸の蠕動(ぜんどう)運動が乱れるために起こると説明されます。

治療は、胃酸を抑える薬、腸の動きを整える薬、不安を和らげる抗不安薬などが中心になります。検査で異常が見つからないぶん、「気のせい」「性格の問題」と片づけられてしまうこともあり、患者さんの苦しみは理解されにくいのが現実です。

東洋医学は「肝」と「脾」の関係で見る

神山先生はよくこうおっしゃいます。「ストレスで胃腸を壊すのは、性格が弱いからではありません。肝(かん)と脾(ひ)という二つの臓が喧嘩を始めているのです」と。

東洋医学でいう「肝」は、西洋医学の肝臓とは少し違います。気(き)の巡りを司り、感情をコントロールする臓です。ストレスを受けると、まずこの肝の働きが滞ります。これを「肝気鬱結(かんきうっけつ)」と呼びます。気の流れが詰まった状態、いわば高速道路が渋滞しているようなイメージです。

ところが肝は、そのままでは済みません。渋滞した気は暴走を始め、隣の臓である「脾」を攻撃します。脾は消化吸収を担う臓で、ここが弱ると食欲不振、胃もたれ、下痢、疲労感が出てきます。これが「肝鬱脾虚(かんうつひきょ)」——肝の暴走によって脾が疲弊した状態です。

さらに女性の場合、肝は「血(けつ)」を蔵する臓でもあるため、月経不順、ほてり、のぼせ、不眠といった症状も加わりやすくなります。肝は血を蓄え、感情を調え、消化を支える——この一つが崩れると、芋づる式に全身が揺らぐのです。

加味逍遙散という処方——肝を疎(とお)し、脾を補い、熱を冷ます

この肝鬱脾虚に、熱(ほてり・いらだち)を伴うタイプに用いられる代表処方が加味逍遙散です。構成生薬を見ると、先人の知恵に唸らされます。

  • 柴胡(さいこ)・薄荷(はっか):滞った肝気を疎通させる(渋滞を解消する)
  • 当帰(とうき)・芍薬(しゃくやく):血を補い、肝を柔らかくする
  • 白朮(びゃくじゅつ)・茯苓(ぶくりょう)・甘草(かんぞう)・生姜(しょうきょう):疲れた脾を補い、消化力を取り戻す
  • 牡丹皮(ぼたんぴ)・山梔子(さんしし):暴走した気が生んだ熱を冷ます

つまり加味逍遙散は、「渋滞を解き、血を満たし、消化を助け、のぼせを冷ます」——四方向から同時にアプローチする、実に巧みな処方なのです。

適応する「証」の目安は、以下のような方です。

  • 比較的虚弱で、疲れやすい
  • ストレスでイライラしやすく、のぼせや肩こりがある
  • 食欲が一定せず、胃もたれや軟便傾向
  • 月経前症候群(PMS)、更年期の症状を伴う
  • 不眠、頭痛、めまいを訴えることもある

もちろん漢方は「証」に合っていてこそ効くものです。同じストレス症状でも、冷えが強く元気がない方には「香蘇散(こうそさん)」、喉のつかえ感(梅核気)が強い方には「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」、比較的体力があって脇腹の張りが強い方には「四逆散(しぎゃくさん)」と、使い分けが必要です。自己判断で選ばず、必ず漢方に詳しい医師・薬剤師にご相談ください。

今日から始められる養生——肝を疎し、脾を守る

処方を飲むかどうかにかかわらず、日常で肝鬱脾虚を和らげる養生はたくさんあります。

第一に、香りのあるものを取り入れること。柑橘類(みかん、ゆず、グレープフルーツ)、紫蘇、三つ葉、セロリ、ミント、ジャスミン茶。これらは肝気を疎通させる食材です。朝、ゆずの皮を白湯に浮かべるだけで、気の流れがすっと変わります。

第二に、脾を冷やさないこと。ストレスを感じるとつい冷たい飲み物や甘いものに手が伸びますが、これは脾にとって致命的です。温かいスープ、味噌汁、煮た根菜で脾を労わりましょう。

第三に、ため息を我慢しないこと。ため息は肝気が自分で出口を探している証拠です。抑えずに、ゆっくり深く吐く。意識的に「はぁー」と長く息を吐くだけでも、肝は少し楽になります。

まとめ——「治す」ではなく「整える」

ストレスで胃腸が弱るのは、あなたが弱いからではありません。肝と脾という二つの臓が、あなたの代わりに悲鳴を上げてくれているのです。加味逍遙散のような処方は、その悲鳴を聞き届け、渋滞を解き、疲れを癒やし、熱を鎮めるための、先人からの贈り物です。

大切なのは、症状を「消す」ことではなく、身体全体を「整える」こと。今日ため息を一つ深く吐き、温かい汁物を一杯いただく——それもまた、立派な養生の始まりです。

※本記事は東洋医学の考えに基づく養生の知恵を紹介するものであり、医療行為の代替を推奨するものではありません。症状がある方は必ず医療機関を受診してください。漢方薬の服用についても、必ず漢方に詳しい医師・薬剤師にご相談ください。

▶ なぜ私が養生を語るのか

漢方が続かない本当の理由――世界一の保険制度が生んだ「万単位アレルギー」

「効いてる気がする。でも、もう通えない」

鍼灸院や漢方薬局に通い始めて、体の調子が少し良くなってきた。肩の張りが和らいだ。眠りが深くなった。なんとなく、体が軽い。

でも、ふと請求書を見て我に返ります。

一回の施術が5,000円から8,000円。煎じ薬が月に15,000円。それが毎週、毎月、続いていく。保険が効かないから、全額が自分の財布から出ていく。

「効いてる気がする」と「でも、もう通えない」。この二つの感情が同時に存在するとき、ほとんどの人は後者を選びます。そして、体がまた元の状態に戻っていく。

この繰り返しを経験した人は、きっと少なくないはずです。


日本人は「医療費ゼロ」に慣れすぎた

なぜ、万単位の医療費がこれほどつらく感じるのか。

理由はシンプルです。わたしたちは、世界に類を見ない国民皆保険制度の中で育ったからです。

風邪をひけば内科へ行く。窓口で払うのは数百円。骨を折っても、手術をしても、自己負担は原則3割。高額療養費制度を使えば、月の上限を超えた分は戻ってきます。ヨーロッパで10年、北米で5年を過ごした経験から言えば、こんな国は世界中を探してもそうありません。

アメリカでは救急車を呼ぶだけで数十万円の請求が来ます。盲腸の手術で100万円を超えることも珍しくない。ヨーロッパでも、公的保険でカバーされない治療は普通に万単位の自費がかかります。

それに比べて日本は、高度な医療が驚くほど安く受けられる。これは本当に素晴らしいことです。感謝すべきことです。

しかし、この恵まれた環境が一つの副作用を生みました。

「医療にお金がかかる」という感覚そのものが、日本人の体から消えてしまった。


3割負担の「外」にある世界

保険診療の窓口負担に慣れきった感覚で自費診療の世界に足を踏み入れると、金額のギャップに打ちのめされます。

保険が効く漢方薬は、実はあります。ツムラの漢方エキス顆粒など、医師が処方すれば3割負担で手に入るものも少なくありません。でも、保険適用の漢方は種類が限られていて、一人ひとりの体質に合わせた細やかな調合ができるわけではありません。

本来の漢方の良さ――あなたの体質を見て、あなただけの処方を組む――を活かそうとすると、ほぼ確実に自費の世界に入ります。鍼灸も同様です。保険適用される疾患は限定的で、「なんとなく調子が悪い」「慢性的にだるい」といった養生的な使い方は、基本的に保険の対象外です。

すると何が起きるか。

月に数百円で通えていた内科と、月に数万円かかる漢方薬局を、同じ「医療費」として比較してしまう。比較した瞬間、漢方の側が「高い」と感じるのは当然です。でも、本当に高いのでしょうか。


「高い」の正体を分解してみる

ここで、感情を一度脇に置いて、数字を見てみます。

たとえば、慢性的な肩こりと不眠で困っている人がいるとします。

保険診療のルートを選ぶと、整形外科で湿布と痛み止めが出て、内科か心療内科で睡眠薬が処方されます。窓口負担は毎回数百円から千数百円。安い。でも、肩こりの根本原因にアプローチしているわけではないし、睡眠薬には依存性の問題もあります。そして何より、この通院は終わりが見えません。

一方、鍼灸と漢方のルートを選ぶと、月に2万円から3万円はかかるかもしれません。でも、体質そのものに働きかけるアプローチなので、うまくいけば数ヶ月後には通院頻度を減らせる可能性があります。

どちらが「高い」かは、実は簡単には言えません。

月々の支出だけを見れば保険診療が圧倒的に安い。でも、「5年間湿布を貼り続ける総コスト」と「半年間集中的に体質改善に取り組むコスト」を比べたら、数字はそこまで変わらないかもしれません。さらに言えば、体が楽になることで仕事のパフォーマンスが上がったり、疲労からくる判断ミスが減ったりする効果まで含めたら、計算はもっと複雑になります。

もちろん、これは「だから自費診療を選ぶべきだ」という話ではありません。万単位の出費が毎月続くのは、どう理屈をつけても家計にはきつい。それは紛れもない事実です。


だからこそ、「食養生」を主軸に据える

お金が続かないなら、お金のかからない方法を軸にすればいい。

答えは、実はずっと目の前にありました。毎日の「食事」です。

このブログで繰り返しご紹介している神山道元先生は、東洋医学の中でもとりわけ食養生の力を重視されています。漢方薬も鍼も、もともとは「食事だけでは追いつかないときの補助手段」として発展してきたもの。つまり、東洋医学の本来の主役は、薬局の棚に並ぶ生薬ではなく、あなたの台所にある食材なのです。

食養生の最大の強みは、毎日の食事の延長線上にあるということ。特別な材料を取り寄せる必要はありません。スーパーで買える食材で、今日の献立を少しだけ意識する。それだけで、体は変わり始めます。

冷えが気になるなら、生姜やネギ、ニラを意識的に使う。胃腸が疲れているなら、消化の良いお粥や温かいスープを取り入れる。季節の変わり目に体がだるければ、旬の食材で体を整える。こうした知恵は、何千年もの臨床経験に裏打ちされた東洋医学の真髄でありながら、一円の追加費用もかかりません。

いや、正確に言えば「食費は元々かかっている」わけですから、追加コストはほぼゼロです。買うものを少し変える。調理法を少し変える。食べるタイミングを少し変える。それだけのことです。


漢方と鍼は「切り札」として取っておく

食養生を日々の土台にしたうえで、漢方薬や鍼灸治療はどう位置づけるか。

わたしが提案したいのは、「切り札」として必要なときだけ使うという考え方です。

季節の変わり目に体調が大きく崩れた。ストレスが重なって眠れない日が何日も続いている。慢性的な痛みがセルフケアだけでは手に負えない。こういう「食養生だけでは追いつかない局面」が来たときに、初めて漢方の処方や鍼治療の力を借りる。

この使い方なら、月に何万円もの出費が延々と続くことはありません。年に数回、本当に必要なタイミングだけ。いわば、日常のメンテナンスは食養生で回して、大きな不調が来たときだけプロの力を借りる。車でいえば、毎日のオイルチェックや空気圧管理は自分でやって、エンジンの異音が出たときだけ整備工場に持っていくようなものです。

製造業で30年やってきた人間としては、この方がよほど腹に落ちます。設備保全の世界では当たり前の考え方です。日常点検(食養生)を丁寧にやっていれば、突発故障(大きな体調不良)は減る。そして突発故障が起きたときには、ケチらずにプロ(漢方・鍼灸)に診てもらう。


食卓が「診察室」になる

神山先生の教えで印象的なのは、食養生を「治療の代替」ではなく「暮らしの一部」として語られることです。

特別な健康食品を買いなさいとは言わない。高額なサプリメントを勧めることもない。あなたの体質と今の季節と、今日の体調を見て、冷蔵庫の中にあるものでできることを考える。それが食養生の本質です。

こう考えると、毎日の食卓が小さな「診察室」になります。自分の体の声を聴きながら、今日は何を食べるかを選ぶ。これは、誰かにお金を払って「やってもらう」ものではなく、自分で「やる」ものです。

受け身の患者から、能動的な養生者へ。この転換こそが、お金の問題を根本から解決する道だとわたしは考えています。


保険制度のありがたみ、その先にあるもの

日本の国民皆保険制度は、間違いなく世界の宝です。これを批判するつもりは微塵もありません。

でも、この制度がカバーしきれない領域があること。そして、その領域にお金をかけ続けられる人ばかりではないこと。この二つの事実から目を逸らしても、体は楽になりません。

だからこそ、お金のかからない食養生を目一杯活用して、自分の力で健康を取り戻す。そして、強力な漢方や鍼治療が本当に必要なときだけ、プロの力を借りる。

このブログ「養生日和」では、神山先生の食養生の知恵を中心に、あなたの台所から始められる養生の情報を発信していきます。供給側の「うちに来なさい」でもなく、制度側の「保険外は自己責任です」でもなく。あなた自身が、自分の体の主治医になるために。


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「ストレスで胃が痛い」は気のせいじゃない?——東洋医学が教える心と内臓のつながり

Q. 仕事のストレスがたまると、決まって胃が痛くなります。でも病院で検査しても「異常なし」と言われます。これって気のせいなのでしょうか?

「ストレスがたまると胃が痛くなる」「緊張すると食欲がなくなる」——こうした経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。病院で検査を受けても特に異常は見つからない。「気のせいですよ」「ストレスですね」と言われて、モヤモヤした気持ちで帰ってきた経験はありませんか?

でも、その痛みは決して「気のせい」ではありません。東洋医学の視点から見ると、心と内臓のつながりは驚くほど明確に説明できるのです。


西洋医学では「機能性ディスペプシア」と呼ばれます

西洋医学では、検査で異常が見つからないのに胃の不快感や痛みが続く状態を「機能性ディスペプシア」と呼びます。胃の器質的な病変はないけれど、胃の働き(機能)に問題が生じている状態です。

治療としては、胃酸を抑える薬や胃の動きを改善する薬、場合によっては抗不安薬が処方されることもあります。しかし、「なぜストレスが胃に影響するのか」という根本的なメカニズムについては、「自律神経の乱れ」という説明にとどまることが多いのが現状です。


東洋医学では「肝と脾(胃)の関係」で説明します

東洋医学では、ストレスと胃の痛みの関係を「肝脾不和(かんぴふわ)」という概念で説明します。これは、肝(かん)と脾(ひ)という二つの臓腑の調和が乱れた状態を指します。

肝は「気の巡り」を司る

東洋医学でいう「肝」は、西洋医学の肝臓とは少し異なります。肝は全身の「気」の流れをスムーズにする働き——「疏泄(そせつ)」という機能を持っています。感情の安定や、ストレスへの対応も肝の役割です。

ストレスがたまると、この肝の疏泄機能が滞ります。これを「肝気鬱結(かんきうっけつ)」といいます。いわば、気の巡りが渋滞を起こしている状態です。

脾は「消化吸収」を司る

一方、「脾」は消化吸収を担当する臓腑です。食べ物から栄養を取り出し、全身に送り届ける働きをしています。東洋医学では、脾と胃は表裏一体の関係にあり、合わせて「脾胃(ひい)」と呼ばれることも多いです。

肝の乱れが脾胃を攻撃する

五行説では、肝は「木」、脾は「土」に属します。木は土を抑える関係(相克)にあるため、肝の気が滞ると、その矛先が脾胃に向かいやすいのです。

これが「肝気犯胃(かんきはんい)」——肝の乱れた気が胃を攻撃する——という状態です。イライラすると胃が痛くなる、緊張するとお腹の調子が悪くなる。これは気のせいではなく、肝と脾胃の関係で起こる、れっきとした身体の反応なのです。


今日からできる養生法

1. 深呼吸で肝の気を巡らせる

イライラしたり、胃が痛くなったりしたら、まず深呼吸を。息を吐くときに、身体の中の滞った気が外に出ていくイメージを持ちましょう。吸うときの倍の時間をかけてゆっくり吐くのがコツです。

2. 柑橘類の香りを活用する

肝の気を巡らせるのに効果的なのが、柑橘類の香りです。みかんやレモン、ゆずなどの皮に含まれる香り成分には「理気(りき)」——気の巡りを整える——作用があります。アロマオイルを使ったり、食後にみかんを食べたりするのも良いでしょう。

3. 「腹八分目」と「よく噛む」を意識する

ストレスで弱った脾胃をいたわるには、消化に負担をかけないことが大切です。食事は腹八分目を心がけ、一口30回を目安によく噛んで食べましょう。脾胃の仕事を減らしてあげることで、回復を助けます。

4. 軽い運動で気を動かす

気は動いているのが正常な状態です。デスクワークで同じ姿勢が続くと、気も滞りやすくなります。1時間に1回は立ち上がってストレッチをしたり、可能であれば昼休みに10分でも歩いたりすることで、気の巡りを促しましょう。


まとめ:胃の痛みは「身体からのサイン」

ストレスで胃が痛くなるのは、「気のせい」でも「弱いから」でもありません。肝と脾胃という二つの臓腑の関係から起こる、身体の自然な反応です。

大切なのは、この痛みを「身体からのサイン」として受け止めること。「もう少しゆっくりしなさい」「気を巡らせなさい」という、身体からのメッセージなのです。

病気を「治す」のではなく、身体を「整える」。その視点を持つことで、ストレスと胃の痛みとの付き合い方が、少し楽になるかもしれません。


※本記事は東洋医学の考えに基づく養生の知恵を紹介するものであり、医療行為の代替を推奨するものではありません。症状がある方は必ず医療機関を受診してください。

なぜ私が養生を語るのか——原点ストーリーを読む

このブログの目的――「正解」を押しつけたいわけじゃない

東洋医学 vs 西洋医学? そんな話をしたいんじゃない

体調を崩して情報を探し始めると、すぐにこの構図にぶつかります。

「西洋医学では根本原因を見ない」「東洋医学にはエビデンスがない」「どっちもダメだからこのサプリを」――。

検索結果に並ぶのは、供給側の立場から書かれた主張ばかり。医療者、施術者、メーカー、それぞれが「自分の持ち場」を正当化するための論理を展開しています。もちろん、その中に真っ当な意見もたくさんあります。でも、体のつらさを抱えて画面を見つめている側からすると、「で、結局わたしはどうすればいいの?」という疑問だけが残ります。

このブログは、そのどちらの陣営にも旗を立てません。


「ゆったり生きましょう」が正論すぎて腹が立つ

養生の世界には、もうひとつよく出てくるフレーズがあります。

「無理をしないで」「ゆったりと生きましょう」。

本音を言えば、わたしもそう思っています。ストレスを減らして、睡眠をとって、好きなものを食べて、のんびり暮らせたら、そりゃあ体は楽になるでしょう。

でも、それが出来れば苦労はしていません。

朝は会議がある。納期は動かない。部下の相談は断れない。家に帰ればまた別の役割が待っている。30年以上、製造業の現場を渡り歩いてきた身としては、「環境を変えなさい」というアドバイスほど空虚に響くものはありません。

「正論」は、受け手の現実を無視した瞬間に、ただの暴力になります。


「今の環境のままで」出来うる最善を探す

では、このブログは何をしたいのか。

答えはシンプルです。今の生活を壊さなくても、少しだけ楽になれる方法を一緒に探したい。

大事なのは「少しだけ」という部分です。劇的な改善を約束するつもりはありません。明日から人生が変わる魔法のメソッドもありません。でも、次の三つのことは信じています。

一つ目。今の症状が「緩和」されることが最優先だということ。 理論の正しさよりも、あなたの体が少しでも楽になることの方がずっと大事です。東洋医学の知恵が合う人もいれば、西洋医学の治療がぴったりの人もいる。あるいは、その両方をうまく組み合わせることで初めて落ち着く人もいます。手段を選ぶ基準は「どの流派が正しいか」ではなく、「今のあなたに何が効くか」です。

二つ目。再発しにくい体をつくることは、生活習慣の「微調整」の積み重ねだということ。 生活を根底からひっくり返す必要はありません。朝のコーヒーを一杯減らしてみる。エレベーターの代わりに一階分だけ階段を使ってみる。寝る前のスマホを10分だけ早く切る。こうした小さな変化は、一つひとつは取るに足りないものです。でも、続けたときに体は確実に変わります。

三つ目。「わたし」の体は「わたし」にしかわからないということ。 どんな名医でも、あなたの体の中に住んでいるわけではありません。最終的に「これは効いている」「これは合わない」と判断できるのは、あなた自身だけです。このブログは、その判断のための材料を提供する場でありたいと思っています。


供給側の論理から「生活者」の目線へ

世の中にある健康情報の多くは、供給側の目線で書かれています。

医師は診断と治療を語る。鍼灸師は経絡と気の流れを語る。サプリメーカーは成分と臨床試験を語る。どれも専門的で、それぞれの領域では正しいのかもしれません。

でも、情報を受け取る側――つまり「患者」であり「生活者」であるわたしたちには、もう一つの視点が必要です。

それは、**「この情報は、今のわたしの暮らしの中で、どう使えるか」**という視点です。

仕事を辞められない。引っ越しもできない。家族の事情もある。そんな「動かせない前提」を抱えたまま、それでも体と付き合っていくための知恵。このブログでは、そういう地に足のついた情報を発信していきます。


一緒に探しましょう

このブログのタイトルは「養生日和」です。養生とは、特別な何かをすることではなく、日々の暮らしの中で体をいたわること。日和とは、何かをするのにちょうどいい天気のこと。

つまり、「今日もまた、体をいたわるのにちょうどいい一日ですね」という意味を込めています。

完璧を目指さなくていい。正解を見つけなくてもいい。ただ、今日できる「少しだけ」を積み重ねていく。そのための情報と、ちょっとした励ましを、このブログから届けられたらと思っています。

「乗り越えられない試練はない」――これはわたしの座右の銘ですが、乗り越え方は人それぞれです。あなたのペースで、あなたの方法で。

一緒に探しましょう。

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花粉症に効果てきめん、インドネシアのジャムウティー事件

「買ってきてくれない?」

インドネシアに頻繁に出張していた頃の話だ。

ジャムウティー。聞いたことはあった。SNSで「30年来の花粉症がピタリと止まった」「泥水みたいにまずいけど、クソ効く」と話題になっていた、インドネシアの伝統的な漢方茶だ。150gで6,000円。1杯あたり120円。安くはないが、毎年の花粉症の地獄を思えば試してみたくなる気持ちはわかる。

で、現地に着いて、インドネシア人の同僚や取引先に聞いてみた。

「ジャムウティーって、花粉症に効くの?」

返ってくる答えは、一様にこうだ。

「え? そんな効果、聞いたことないけど」


インドネシアでの「ジャムウ」の立ち位置

インドネシアで「JAMU(ジャムウ)」と言えば、日本でいう漢方のようなものだ。ウコンや生姜、各種ハーブを煎じた伝統的な飲み物で、街角にはジャムウ売りのおばちゃんがいるし、コンビニにもジャムウ系のドリンクが並んでいる。

ただ、現地の人たちにとってジャムウは「お腹の調子を整える」「疲れを取る」「体を温める」といった日常的な健康飲料であって、「花粉症を劇的に治す魔法の薬」という認識はない。

そもそもインドネシアにはスギ花粉がない。花粉症という概念自体が日常にない国で、「花粉症に効く」と言われても、現地の人はきょとんとするしかない。

「日本人が『めちゃくちゃ効く』って大騒ぎしてるんだけど」と言っても、「へえ、そうなんだ」くらいの反応だった。

この時点で、私の中にはうっすらと違和感があった。


効きすぎるものには、理由がある

帰国後、仕事仲間には「現地の人は花粉症への効果なんて知らないよ」と伝えたが、「でも実際に効いてるから」と一蹴された。まあ、効いているなら本人にとってはそれが正義だ。理屈はどうあれ、症状が消えるなら救いだろう。

しかし、時を同じくして、あのニュースが飛び込んできた。

2023年4月12日、国民生活センターが発表。

大阪の株式会社「香塾」が輸入・販売していた「ジャムー・ティー・ブラック」から、医薬品成分であるステロイド(副腎皮質ステロイド)が検出された、と。

事の発端は、ある利用者が花粉症の劇的な改善を喜んでいたところ、別の疾患で通院中の血液検査で異変が見つかったことだった。ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)やコルチゾールの数値が異常に低い。副腎機能が抑制されている。お茶をやめたら、数値は速やかに正常に戻った。

つまり、こういうことだ。

「天然ハーブ100%のお茶」と謳いながら、実はステロイド薬が混入されていた。

花粉症がピタリと止まったのは、ウコンや生姜の力ではなく、ステロイドが効いていただけだった。


現地の人が「知らない」と言った理由

この事件を知った瞬間、インドネシアの同僚たちの反応が腑に落ちた。

彼らは正しかったのだ。

本来のジャムウには、花粉症を「劇的に」止める力はない。体を温め、免疫を少しサポートする ── それがジャムウの本来の役割だ。「飲んだ瞬間に鼻水が止まる」ようなものではない。

現地の人が「そんな効果、聞いたことない」と言ったのは、彼らがジャムウの本来の実力を知っているからだ。本物のジャムウを飲んでいる人たちが「そんなはずない」と言うものが、なぜ日本で「劇的に効く」のか。答えは、そこに本来入っているはずのないものが入っていたからだ。


製造業30年の嗅覚

製造業に30年いると、「うまい話」には鼻が利くようになる。

品質が突然劇的に改善した ── 本当にプロセス改善のおかげか? 実は検査基準を変えただけじゃないのか。コストが突然下がった ── 本当に効率化か? 実は材料をこっそり変えていないか。

ものづくりの世界では、「結果が良すぎる時こそ疑え」は鉄則だ。

ジャムウティー事件も同じ構造だ。「30年来の花粉症が一発で治る天然ハーブティー」。この文面を工場の品質報告書に置き換えれば、即座に赤旗が立つ。

結果が原因に対して不釣り合いな時、そこには見えていない変数がある。


教訓:「効く」と「治る」は違う

この事件から得た教訓は、ビジネスにも人生にも通じる。

「効く」と「治る」は、まったく別のものだ。ステロイドは炎症を「抑える」。症状は消える。だが、花粉症の原因である免疫の過剰反応そのものは何も変わっていない。薬をやめれば元に戻る。そして長期間のステロイド摂取は、副腎機能を抑制し、別の健康リスクを生む。

これは組織の課題にも当てはまる。

研修を一発やって「従業員の意識が変わりました」と報告する。本当か? 表面的な行動が変わっただけで、根本的な考え方は変わっていないのではないか。そしてその「一発の研修」がステロイドのように、見せかけの改善を作り出しているだけではないか。

本当に「治す」には、時間がかかる。根気がいる。地味な積み重ねが必要だ。

まさに、乗り越えられない試練はない ── ただし、近道もない。


あの仕事仲間のその後

ちなみに、ジャムウティーを頼んできた仕事仲間はどうなったか。

事件発覚後、さすがにジャムウティーはやめた。「あんなに効いてたのに、ステロイドだったのか」としばらく落ち込んでいたが、結局その後、免疫は肝臓だ!!と、緑豆黒酢を試している。

泥水のような魔法の一杯より、毎日8粒の地道な治療。

結局、本物の解決とは、そういうものなのだと思う。


本稿は筆者の個人的な体験と見解に基づいています。

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「五虚」とは?東洋医学が教える5つの”虚”を知って、慢性疲労の根っこを見つめ直す

はじめに:「虚」という考え方

西洋医学では「異常なし」と言われたのに、なぜか体がだるい。眠っても疲れが取れない。そんな経験はないだろうか。

東洋医学には、こうした「検査では見つからない不調」を説明するための枠組みがある。そのひとつが**「虚(きょ)」**という概念だ。

「虚」とは、簡単に言えば**「足りない」状態**。体を動かすエネルギーや栄養、潤い、温かさ、生命力の源——これらが不足しているとき、東洋医学では「虚している」と表現する。

そして、この「虚」には5つの種類がある。それが今回紹介する**「五虚(ごきょ)」**だ。


五虚とは何か

五虚とは、以下の5つの「不足」を指す。

虚の種類何が足りないか主な症状の傾向
気虚(ききょ)気(エネルギー)疲れやすい、息切れ、声が小さい、汗をかきやすい
血虚(けっきょ)血(栄養・潤い)顔色が悪い、めまい、動悸、爪がもろい、髪がパサつく
陰虚(いんきょ)陰液(体を潤す成分)手足のほてり、寝汗、口や喉の渇き、便秘
陽虚(ようきょ)陽気(温める力)冷え性、むくみ、下痢しやすい、元気が出ない
精虚(せいきょ)精(生命力の源)老化現象、腰や膝のだるさ、耳鳴り、記憶力低下

これらは単独で現れることもあれば、複合して現れることも多い。たとえば「気虚」が長引けば「陽虚」に進むことがあるし、「血虚」と「陰虚」が同時に存在することもある。


西洋医学との違い

西洋医学は「何があるか」を診る医学だ。腫瘍がある、細菌がいる、数値が高い——こうした「存在するもの」を見つけて対処する。

一方、東洋医学は**「何が足りないか」**にも目を向ける。検査で異常がなくても、体が訴える不調には理由がある。その理由を「虚」という枠組みで捉えようとするのだ。

これは優劣の問題ではない。視点の違いだ。


なぜ五虚を知ることが大切なのか

五虚を知る意味は、自分の不調のパターンに名前がつくことにある。

「なんとなくだるい」「原因不明の疲労」——こうした曖昧な状態は、本人にとっても周囲にとっても扱いにくい。しかし「これは気虚かもしれない」「陽虚の傾向があるのでは」と仮説が立てられれば、対処の方向性も見えてくる。

養生の第一歩は、自分の体の「傾向」を知ることだ。五虚はそのための地図のようなものだと思っている。


乗り越えられない試練はない

50代、60代になると、若い頃のように無理が効かなくなる。それは当然のことだ。しかし「年だから仕方ない」と諦めるのは早い。

東洋医学の知恵は、不足を補い、バランスを整えることで、体を本来の状態に近づけようとする。完璧な健康を目指すのではなく、今の自分にとっての「ちょうどいい」を探る。

五虚を知ることは、その探索の出発点になる。


まとめ

  • 「五虚」とは、気虚・血虚・陰虚・陽虚・精虚の5つの不足状態
  • 西洋医学で「異常なし」でも、東洋医学では「虚」として捉えられることがある
  • 自分の不調のパターンを知ることが、養生の第一歩

次回以降、それぞれの「虚」についてもう少し詳しく掘り下げていく予定だ。


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春のイライラは「肝」のSOS——気を巡らせる食材で心を整える

パッチングワーカーです。
美しくも、特定の方々には憂鬱な季節ですね。

新年度が始まり、仕事や人間関係の変化に追われる4月。

「なんだか最近イライラしやすい」「ちょっとしたことで落ち込む」「夜になっても頭が冴えて眠れない」——そんな自分に戸惑っていませんか?

「ストレス耐性がないのかな」「メンタルが弱いのかも」と自分を責めてしまう方もいるかもしれません。でも、東洋医学の視点から見ると、それは心の問題ではなく、身体の問題かもしれないのです。

今日は、春のメンタル不調を「食」で整える方法をお伝えします。


西洋医学では「自律神経の乱れ」と言われるけれど

春先のメンタル不調について、西洋医学では「自律神経の乱れ」と説明されることが多いですね。

気温の寒暖差、気圧の変動、新生活のストレス——これらが自律神経のバランスを崩し、イライラや不眠、倦怠感を引き起こすとされています。

対処法としては「規則正しい生活」「適度な運動」「ストレスを溜めない」などが挙げられますが、「それができれば苦労しない」というのが正直なところではないでしょうか。


東洋医学では「肝」の働きを見る

東洋医学では、春のメンタル不調を**「肝(かん)」の失調**として捉えます。

ここでいう「肝」は、西洋医学の肝臓とは少し異なります。東洋医学の「肝」は、気(エネルギー)の流れをスムーズにする働きを担っています。川の流れを管理するダムのような存在だと思ってください。

春は自然界で「木」が芽吹き、上へ上へと伸びていく季節。人の身体でも「気」が上に昇りやすくなります。この動きを調整するのが「肝」の役目なのですが、肝の働きが追いつかないと、気が上に昇りすぎてしまいます。

これを**「肝気上逆(かんきじょうぎゃく)」**といいます。

気が頭のほうに上がりすぎると、イライラ、頭痛、目の充血、眠れないといった症状が現れます。逆に、気が詰まって流れなくなると、憂うつ、ため息、胸のつかえ、食欲不振といった症状になります。

つまり、春のメンタル不調は「気の巡り」の問題であり、それを司る「肝」を整えることが養生の基本になるのです。


肝を整え、気を巡らせる食材たち

では、具体的にどんな食材が「肝」を助けてくれるのでしょうか。東洋医学の「性味(せいみ)」と「帰経(きけい)」という考え方に基づいてご紹介します。

1. セロリ(芹菜)

  • 性味:涼性・甘辛
  • 帰経:肝・胃・肺

セロリは肝の熱を冷まし、気を降ろす働きがあります。イライラして頭に血が上る感じがするときに最適。独特の香り成分「アピイン」には鎮静作用もあるとされています。

食べ方:生のままスティックで、または浅漬けに。加熱しすぎると香り成分が飛ぶので、炒め物なら仕上げに。

2. 春菊

  • 性味:平性・甘辛
  • 帰経:肝・肺

春菊は気の巡りを助け、肝を養う代表的な春野菜です。独特の苦味が「肝」に入り、滞った気を動かしてくれます。

食べ方:鍋物の定番ですが、この時期はおひたしや胡麻和えがおすすめ。さっと茹でて香りを残すのがコツです。

3. 柑橘類(みかん、レモン、グレープフルーツなど)

  • 性味:涼性〜平性・酸甘
  • 帰経:肝・脾・肺

柑橘類の酸味は肝に入り、気の巡りを助けます。特に皮の部分(陳皮)は「理気(りき)」——気の流れを整える——作用が強いとされています。

食べ方:そのまま食べるのはもちろん、皮を少し削って料理に加えたり、お湯に浮かべて香りを楽しんだり。朝一杯のレモン白湯もおすすめです。

4. 三つ葉

  • 性味:平性・辛
  • 帰経:肝・肺

三つ葉は香りで気を巡らせる「芳香性理気薬」のような働きをします。お吸い物に浮かべるだけでも、ふわっと気持ちがほぐれるのを感じませんか?

食べ方:加熱しすぎると香りが失われるので、仕上げに添えるのがベスト。卵とじや和え物にも。

5. 緑豆もやし

  • 性味:涼性・甘
  • 帰経:心・胃

緑豆もやしは熱を冷まし、気持ちを落ち着ける働きがあります。イライラして熱っぽいとき、口が渇くときに。安価で手に入りやすいのも嬉しいですね。

食べ方:さっと茹でてナムルに、または炒め物の具材として。


今日からできる「肝」を助ける食べ方のコツ

食材選びと同時に、食べ方も大切です。

ゆっくり噛んで食べる

早食いは気が上に昇りやすくなります。一口30回を目安に、ゆっくり噛むことで気が落ち着きます。

香りを楽しむ

香りは「気」を動かします。セロリや三つ葉、柑橘類などの香りを意識して嗅いでから食べてみてください。

酸味を取り入れる

酸味は肝を養い、気を収める働きがあります。お酢を使った料理や、食事の最後にレモン水を飲むのも良いでしょう。

夜は消化の良いものを

夜に重たいものを食べると、肝に負担がかかり、睡眠の質が下がります。夕食は腹七分目を心がけて。


まとめ

春のイライラや落ち込みは、あなたのメンタルが弱いのではありません。それは身体が「気の巡りを助けて」とサインを出しているのです。

病院に行くほどではないけれど、なんだか調子が悪い——そんなとき、東洋医学の知恵を借りて、食卓から身体を整えてみませんか。

「治す」のではなく「整える」。それが養生の基本です。

今日ご紹介した食材——セロリ、春菊、柑橘類、三つ葉、緑豆もやし——はどれもスーパーで手に入るものばかり。今日の夕食に一品、取り入れてみてください。


※本記事は東洋医学の考えに基づく養生の知恵を紹介するものであり、医療行為の代替を推奨するものではありません。症状がある方は必ず医療機関を受診してください。

なぜ私が養生を語るのか——原点ストーリーを読む


ストレスで胃が痛い、眠れない——それは「気のせい」ではなく「肝」の悲鳴です

妻の痛みと麻痺の治療法探しで得た知識をお分けします

中医でも治療家でも、ましてや医師でもない私が、偉そうに情報発信することに戸惑いがありました。

ただ、妻の症状を治す方法がないと言われ続けながら、探し回り、学んで効果を感じられた事だけであればご迷惑にならないと思い始めました。

最適な方法に辿り着けないで困っている人が多く、諦める=苦しみ続ける、という選択をしている方が多く存在することを知っています。

痛みや麻痺は本当に辛い症状ですが、花粉症、偏頭痛、アトピー性皮膚炎、慢性副鼻腔炎、咳喘息、化学物質過敏症、自律神経失調症、パニック障害、慢性便秘、慢性下痢、緊張型頭痛、BPPV、CPSP等々、原因不明であったり、うまく付き合うしかないと言われがちな症状。

リリカの副作用に追い詰められ、薬をやめる決断をした時の気持ち、家族の思い、薬を抜く際の幻覚、見守るしかない家族。薬をうまく抜くことが出来ても、痛みが和らぐわけでもない出口のない不安と怒り。

そんな症状で悩む人につけ込んでくるMLMの、効かないサプリや高価なパッチなど。藁をも掴む思いの本人と家族の希望を粉々にする。

中医学や東洋医学は、西洋医学の限界を感じていない方々にとっては、効果の薄い気休め程度に写っていると思います。実際に私もそんな考えでした。

医者にかかっても治らない、ドクターショッピングをしても同じことを言われる(結局解決しない)。そんな状況で、八方塞がり感をお持ちの方には、希望になるかもしれません。

ここでご紹介する方法は、Amazonなどで買える食材が多く、高価なものは少ないです。
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テーマを設定して、知りうる限りを時間をかけてご紹介してゆきます。


仕事のストレスで体調を崩す——よくある話、でも原因は?

「最近、胃の調子が悪くて」「夜中に何度も目が覚める」「些細なことでイライラしてしまう」

こうした不調を抱えながら、「まあ、ストレスだよね」と自分を納得させていませんか? 病院に行っても「異常なし」と言われ、「気のせいかな」と思うこともあるかもしれません。

でも、その不調は決して「気のせい」ではありません。

東洋医学の視点から見ると、ストレスは確実に内臓に影響を与えます。そして、その中心にあるのが「肝(かん)」という臓腑なのです。


西洋医学の「自律神経」、東洋医学の「肝」

西洋医学では、ストレスによる不調は主に「自律神経の乱れ」として説明されます。交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで、胃腸の不調、不眠、動悸、肩こりなど、さまざまな症状が現れるとされています。

この説明はもちろん正しいのですが、「では、どうすれば自律神経を整えられるのか」という問いに対しては、「ストレスを減らしましょう」「よく寝ましょう」といった、実行が難しいアドバイスに終わることも少なくありません。

ここで東洋医学の視点が役に立ちます。


東洋医学が教える「肝」と感情の深い関係

東洋医学では、五臓(肝・心・脾・肺・腎)がそれぞれ特定の感情と結びついていると考えます。

  • → 怒り、イライラ、ストレス
  • → 喜び、興奮
  • → 思い悩み、くよくよ
  • → 悲しみ、憂い
  • → 恐れ、不安

中でも「肝」は、気(き)の巡りを司るという重要な役割を担っています。気とは、身体を動かすエネルギーのようなもの。肝は、この気を全身にスムーズに巡らせるポンプのような働きをしているのです。

ストレスがかかると何が起こるか

過度なストレスがかかると、肝の気を巡らせる機能が滞ります。これを東洋医学では「肝気鬱結(かんきうっけつ)」と呼びます。いわば、気の渋滞が起きている状態です。

この「肝気鬱結」が起こると、以下のような症状が現れます:

  • イライラ、怒りっぽくなる(気が上に昇りやすくなる)
  • ため息が増える(詰まった気を出そうとする身体の反応)
  • 胸や脇腹の張り(気の滞りが物理的な圧迫感として現れる)
  • 胃腸の不調(肝の気が脾胃を攻撃する「肝脾不和」という状態)
  • 不眠、夢が多い(気の乱れが心神を乱す)
  • 女性の場合は月経不順やPMS(肝は血を蔵し、月経とも深く関わる)

「胃が痛い」という症状一つとっても、東洋医学では「肝の気が脾胃を侵している」という具体的なメカニズムで説明できるのです。


今日からできる「肝」を整える養生法

では、滞った肝の気をどう巡らせればよいのでしょうか。薬に頼らなくても、日常生活でできることがたくさんあります。

1. 身体を動かして気を巡らせる

気は動くことで巡ります。デスクワークで一日中座っていると、気は確実に滞ります。

  • おすすめ:散歩、ストレッチ、ヨガなど、激しすぎない運動
  • ポイント:「義務」としてではなく、「気分転換」として行うこと

特に朝の散歩は、肝が活発になる時間帯(午前1時〜3時に肝は血を蔵し、日中に気を巡らせる)と相性が良く、一日の気の巡りを助けます。

2. 深い呼吸で気を下ろす

ストレスで気が上に昇ると、肩が凝り、頭に血が上り、眠れなくなります。意識的に深い呼吸をすることで、上がった気を下に降ろすことができます。

  • やり方:鼻から4秒吸い、口から8秒かけてゆっくり吐く
  • 回数:3〜5回を1セット、気がついた時に

3. 酸味のある食べ物を取り入れる

東洋医学では、酸味は肝に入るとされています。適度な酸味は肝の働きを助けます。

  • おすすめ食材:梅干し、レモン、酢の物、柑橘類
  • 注意:酸味の取りすぎは逆効果。あくまで「適度に」

4. 香りの良いものでリフレッシュ

肝気の滞りには、香りで気を巡らせる「理気(りき)」という方法が有効です。

  • おすすめ:柑橘系のアロマ、ジャスミン茶、ミントティー
  • 食材では:セロリ、三つ葉、紫蘇、春菊など香りの強い野菜

5. 「我慢しすぎない」という養生

肝気鬱結の最大の原因は「感情の抑圧」です。言いたいことを言えない、我慢し続ける——これが肝を最も傷つけます。

すべてを吐き出す必要はありませんが、信頼できる人に話を聞いてもらう、日記に書き出す、など、感情の出口を作ることが大切です。


「治す」のではなく「巡らせる」

ストレスをゼロにすることは、現代社会では不可能に近いでしょう。しかし、ストレスで滞った気を巡らせることは、今日からでもできます。

東洋医学の養生は、「病気を治す」ことよりも「身体を整える」ことを重視します。気が巡れば、胃の調子も、眠りの質も、自然と整っていきます。

「ストレスだから仕方ない」と諦めるのではなく、「だからこそ肝を労わろう」と考えてみてください。あなたの身体は、必ず応えてくれます。


※本記事は東洋医学の考え方に基づく養生の知恵を紹介するものであり、医療行為の代替を推奨するものではありません。症状がある方は必ず医療機関を受診してください。


なぜ私が養生を語るのか——原点ストーリーを読む

痛みという事象に囚われすぎた過去——「消す」ことばかり追いかけて、見失っていたもの

家内が脳卒中後疼痛(CPSP)と診断されてから、私はひたすら「痛みを消す方法」を探し続けました。

男性なら我慢できないレベルの歯痛が、四六時中、休みなく続く。右半身麻痺、失語症、右下視野欠損に加えて、この痛み。目の前で苦しむ家内を見ながら、私にできることは「次の手」を探すことだけでした。

振り返れば、あの時期の私は完全に「痛みを消す」ということに囚われていました。

痛みさえなくなれば、すべてが好転する。痛みさえ止まれば、家内は笑顔を取り戻せる。そう信じて、あらゆる手段に手を伸ばしました。

SCS(脊髄刺激装置)の埋め込み

脊髄刺激療法(SCS)にも踏み切りました。

脊髄に電極を埋め込み、微弱な電気刺激で痛みの信号を遮断する。外科的な処置を伴う、いわば「最後の手段」に近い治療法です。

体に装置を埋め込むという決断は、軽いものではありません。家内の身体にメスを入れることへの不安、それでも「これで痛みが和らぐなら」という期待。手術を決めるまでに何度も話し合いました。

結果についてここで詳しくは書きませんが、脳卒中後疼痛という痛みの根深さを改めて思い知らされました。末梢からのアプローチでは、脳が作り出す痛みには太刀打ちできない。その事実が、また一つ確認されたのです。

鍼灸——「効かない」と思い込んでいた

鍼灸にも多数通いました。

東洋医学の鍼灸なら、西洋医学とは違う切り口で痛みに届くかもしれない。そう期待して、何軒もの鍼灸院を回りました。YNSA(山元式新頭鍼療法)も試しました。頭皮のツボに鍼を打つことで、脳卒中後の症状に効果があるとされる療法です。

しかし、どこに行っても劇的な変化は感じられませんでした。施術直後は少し楽になったような気がしても、翌日には元に戻る。その繰り返しで、正直なところ「鍼灸というもの自体が効かないのだ」と思い込むようになっていました。

この思い込みが間違いだったと気づくのは、ずっと後のことです。

整体・カイロプラクティック、そしてサプリメント

カイロプラクティック、整体、KEN YAMAMOTO式の手技療法も試しました。身体の歪みを整えることで痛みが軽減するのではないか。そう期待して通いました。

サプリメントも数え切れないほど試しました。痛みに効くとされるもの、神経を修復するとされるもの。中にはMLM(ネットワークビジネス)で勧められたものもありました。藁にもすがる思いでいると、「これが効く」という言葉がどれほど魅力的に聞こえるか。善意で勧めてくれる人もいれば、そうでない人もいました。

結果は、どれも無意味でした。

なぜ、何も効かなかったのか

これだけのことを試して、なぜ何も効かなかったのか。

今になって思うのは、私が「痛み」という事象そのものに囚われすぎていたということです。

痛みを消す。痛みを抑える。痛みを遮断する。痛みを感じなくする。すべてのアプローチが「痛み」に直接向かっていました。痛みという症状を、ピンポイントで消そうとしていた。

でも、身体はそういうふうにはできていない。

痛みは結果です。身体のどこかが歪み、内臓が弱り、気血の巡りが滞った結果として、痛みが現れている。痛みだけを消そうとするのは、火災報知器の音がうるさいからといって報知器を壊すようなものです。火元はそのままなのに。

私は火元を見ていなかった。火災報知器ばかり叩いていた。

「体を整える」という基本

阿久沢先生と出会って、初めて「体を整える」という言葉の意味を理解しました。

阿久沢先生の鍼灸は、それまで通った鍼灸院とは根本的に違いました。痛みに直接アプローチするのではなく、身体全体の状態を見て、内臓の働きを整え、気血の巡りを助ける。YNSAの手法も治療の一部として使うことがありますが、それは全体を整える中での手段であって、「痛みを消す道具」としてではありません。

阿久沢先生に出会うまで、鍼灸は効かないものだと思っていました。しかし実際には、鍼灸そのものが効かなかったのではなく、「痛みを消すための鍼灸」が効かなかっただけだったのです。

身体を整えるための鍼灸は、全く別のものでした。

私が学んだこと

何年もかけて、複数のペインクリニック、神経ブロック注射、リリカの最大量処方、SCSの埋め込み、多数の鍼灸院、YNSA、カイロプラクティック、整体、KEN YAMAMOTO式、数え切れないサプリメントを試しました。

かけた費用も、時間も、身体への負担も、精神的な消耗も、計り知れません。

しかし、この遠回りがなければ、「痛みを消すのではなく、体を整える」という考え方に辿り着けなかったのも事実です。

もしこの記事を読んでいるあなたが、慢性的な痛みを抱えていて、あらゆる治療法を試しても改善しなくて、もう打つ手がないと感じているなら。一度だけ、視点を変えてみてほしいのです。

痛みを消すのではなく、身体を整える。症状を叩くのではなく、火元を見る。壊れた部分を修理するのではなく、身体全体の巡りを助ける。

それが養生という考え方です。

壊れたところにパッチを当てながら、それでも前に進む。それが、私たち夫婦が今歩いている道です。

私たちに起きた変化

家内の痛みをなんとかしようと悪戦苦闘していたこの数年間に、いくつかの変化がありました。

2025年3月12日、父が93歳の生涯を閉じました。老衰でした。

その数日後に、母親の病気の影響を受けて神経再生研究の道を選んだ娘が結婚しました。

本当に難しい、針の穴に糸を通すような日程のやりくりでしたが、葬儀も結婚式も滞りなく行うことができました。

少し後に大切な仕事の仲間がこの世を去りました。私より一回りも若いのに、癌で亡くなりました。

横浜の自宅から、できる限り埼玉県川越市にある父が眠る墓を参ることにしているのですが、奇しくも彼の墓が高尾にあり、通り道にあります。今日も参ってきました。

そして、体を整える尊敬できるプロである阿久澤先生と、中医学の権威である神山道元先生に出会うことができました。

仕事でも数々の出来事が重なり、昔や現在作った点、すなわち全く別のところで必死に取り組んできた様々な事柄が、次から次へと結び付き始めて、線になり続けています。

そしてそれぞれの線がうまく絡み合いながら、絶妙なタイミングで結び付き始めました。

以前、私と仕事仲間がインドネシアに出張する際に、仲間の方の方角が悪すぎるので注意してください!!と忠告してくださった占い師の予言を書いたのですが、泊まっていたホテルの隣のSOGOが火事になり、重度の脱水症で仲間が入院するという結末が待っていました。

その占い師の予言で、あなたの後ろに雪山が見えて、そこで活躍している姿が映っています!!という、インチキくさいものがあります。
が、ユタ州に本社を置くある企業と、深い事業を推し進めているところです。本社の裏に山が聳え立ち、冬は真っ白に化粧する山です。

もう一社、アメリカの会社と良い関係を築いていて、その会社の本社がある場所は、家内がアメリカで倒れしばらく入院していた病院から程近い場所にあります。

思い出したくなかった深い悲しみを背負ったあの地に、ビジネスパートナーとして戻れる。それはハッピーエンドを意味しているのではと、期待しています。

Connecting Dots 〜 狙わずに目の前の仕事を全力で頑張れば、いつか点と点が繋がり出すよ!!っていう、スティーブ・ジョブスが母校の卒業式に招かれた際に卒業生に送ったメッセージ。

歳を重ねないとわからない事って、たくさんあるんです。

老害と言われる前に、たくさん恩返ししたいと思っている私たちです。


※本記事は個人の体験に基づくものであり、特定の治療法や医療機関を否定するものではありません。治療法の選択は、主治医と十分にご相談の上で行ってください。

※本サイトの情報は東洋医学の考え方に基づく養生の知恵を紹介するものであり、医療行為の代替を推奨するものではありません。症状がある方は必ず医療機関を受診してください。

ご無沙汰しておりました ― 阿久沢先生と神山先生との出会い、そして水戸通いの日々

もくじ

長らくの沈黙、本当にごめんなさい

まずは、本当に長いあいだブログの更新が止まってしまっていたこと、心よりお詫びさせてください。「お元気ですか?」「どうされましたか?」と気にかけてくださった方々、コメントやメッセージをくださった方々、本当にありがとうございました。返信もままならない時期がありまして、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

離れていた理由はいろいろあるのですが、一言で言ってしまえば「自分自身と向き合い直す時間が必要だった」のだと思います。体のこと、心のこと、これからの生き方のこと。ひとつひとつ立ち止まって、ゆっくり噛みしめる時間。そんな中で、どうしても言葉にできないことが多くて、ブログという形で発信するのがしばらく難しくなっていました。

でも、この沈黙の時間は決して無駄ではありませんでした。むしろ、人生でいちばん濃密な「学びの時間」だったと言ってもいいくらいです。というのも、この間に、本当にすばらしい二人の先生と出会うことができたからです。今日はそのご報告を、近況報告として綴らせてください。

阿久沢先生との出会い ― 色彩療法の不思議

まず一人目は、阿久沢先生。先生が実践されている「色彩療法」との出会いは、私の中の「治る」という概念を大きく揺さぶるものでした。

色彩療法、と聞くと、「色で癒される?なんとなくリラックスするやつ?」くらいのイメージを持たれる方も多いと思います。正直に言うと、私もそうでした。きれいな色を眺めてほっとする、アロマみたいな感じのもの、と。

でも、阿久沢先生の色彩療法は、そんな表面的なものではまったくありませんでした。色が体のどこにどう作用するのか、その人の今の状態に何色がどんな形で必要なのか ― 先生は一人ひとりをていねいに視て、必要な色をそっと届けてくださるんです。

最初に施術していただいたとき、正直「えっ、これだけ?」と思ってしまったくらい、やっていること自体はとても静かで、穏やかでした。ところが、終わったあとに体の感覚がガラッと変わっていることに気がついて、本当にびっくりしたんです。ずっと重かった肩の奥のほうが軽くなっていたり、頭の中の霧が晴れたような感じがしたり。目に見えない「色」というものが、こんなにも体に影響するんだ、と。

阿久沢先生ご自身は、決してご自分の技術をおおげさに語られない方です。むしろ「私が治すのではなくて、その人が本来持っている力が戻っていくだけですよ」と、さらっとおっしゃる。そういう謙虚さの奥に、深い知識と経験、そして何よりも「人を治したい」という強い思いがあるのが伝わってきて、毎回頭が下がります。

色彩療法については、また回を改めて、もう少しちゃんとご紹介できたらと思っています。今まで私が抱いていた「治療」のイメージが、ガラガラと音を立てて崩れていった、そんな出会いでした。

神山先生との出会い ― 本物の「気」を知る

そしてもう一人、どうしてもお話ししたいのが神山先生のことです。神山先生との出会いは、「気」というものを本気で信じるようになったきっかけでした。

「気」という言葉自体は、日本人にとってすごく身近なものですよね。「元気」「病は気から」「気持ちいい」…毎日何気なく使っている言葉なのに、改めて「気って何ですか?」と問われると、ちゃんと答えられる人は意外と少ないのではないでしょうか。私もずっと、なんとなくの概念として使っていました。

でも、神山先生の前に立ったとき、そのなんとなくが一気に吹き飛びました。言葉で説明するのがとても難しいのですが、先生の「気」は、ちゃんと体でわかるんです。先生が手をかざしてくださると、その場の空気が変わるというか、自分の内側のざわつきがすーっと鎮まっていくというか。これが世間でいう「気功」とか「ヒーリング」のイメージとも、また違うんです。本物の気、としか言いようがない、圧倒的な何か。

最初は半信半疑、というか「気って本当にあるものなのかな」と頭の片隅で思っていた自分が、一回の施術ですっかり変わってしまいました。理屈ではなく、体が納得してしまった、そんな感覚です。

神山先生もまた、阿久沢先生と同じく、とても静かで、声を荒らげたりしない方です。むしろ「治してあげる」という押しつけがましさがまったくなくて、ただただ目の前の人に寄り添ってくださる。その在り方そのものが、すでに治療になっているような気すらします。

毎月、泊まりがけで水戸に通っています

そんなわけで今、阿久澤先生のもとへ通うため、毎月泊まりがけで水戸に足を運ぶ生活を続けています。「毎月、泊まりで?大変じゃない?」と驚かれることも多いのですが、正直に言うと、全然大変ではないんです。むしろ、その時間がないと自分が整わない、と感じるほど、今の私にとっては欠かせない時間になっています。

水戸までの道のりも、いつの間にか好きになってしまいました。行きの電車の中では「今回はどんなお話を聞けるかな」とわくわくしますし、帰りの電車では施術の余韻に包まれながら、ぼーっと窓の外を眺めるのが何とも言えず心地いい。旅と治療と学びが一度に味わえる、贅沢な時間です。

泊まりがけにしているのは、日帰りだとどうしてももったいないから。先生のお話をじっくり伺ったり、同じように通われている方々とお話ししたり、夜は静かに自分の体と心に向き合ったり。一泊するだけで、全然体への入り方が違うんですよね。翌朝、宿で目覚めたときの体の軽さといったら、本当に別人になったような感じです。

神山先生の薬酒のこと

そして、神山先生の話でどうしても触れておきたいのが「薬酒」のことです。

もともと薬酒という言葉にもあまり馴染みがなかった私ですが、「これは普通のお酒とは全然違う…」とすぐにわかりました。処方して下さる生薬のブレンドを、白酒に2週間漬け込んで、毎日15ccずつ飲むんです。

どんな素材を、どんな配合で、どんな時間をかけて仕込まれているのかは、先生にとってとても大切なものですから私が軽々しく語るべきではないのですが、効果を感じれらなかった頃でも、阿久澤先生のところに行くと気が強くなってますね!!、そう言われました。。

そして飲み始めて1ヶ月後の変化は、微動だにしなかった指が動き出したこと。

少しずつですが希望を持てるようになってきました。

神山先生は池袋に院を構えていらっしゃいます。
有名重鎮政治家から送られた額が飾ってあったりと、別格です。

これからのこと

こうして振り返ってみると、ブログを書けずにいたこの期間は、私にとって「静かに種を蒔く時間」だったのだと思います。阿久沢先生との色彩療法との出会い、神山先生との本物の気との出会い、水戸通いの日々、薬酒の力 ― どれもこれも、以前の自分では想像もしなかった経験ばかりです。

これからは、少しずつではありますが、またこの場所で近況や学びをシェアしていけたらと思っています。毎日更新、とはいかないかもしれませんが、その分、心を込めてひとつひとつ綴っていくつもりです。色彩療法のこと、気のこと、水戸での時間、薬酒との付き合い方 ― それぞれについて、もっと深く書きたいテーマがたくさんあります。

長いあいだ離れていたにもかかわらず、こうしてまた読みに来てくださった方がいるとしたら、本当に本当にありがたいことです。ありがとうございます。

これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

また近々、更新しますね。

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