こんにちは、パッチングワーカーです。
サントリーホールディングスの新浪剛史社長が、副代表幹事を務める経済同友会の夏季セミナーで「45歳定年制」を導入すべきだと提言したことに対して、沢山の批判が寄せられていることについて意見を述べさせて頂きたいです。
今の日本
日本の終身雇用制度は世界的にも珍しい制度です。
会社に貢献してもしなくても、自分から手を挙げない限り定年までの雇用が保証されます。
右肩上がりの経済成長が続いている時代はこれでよかったのだと思います。
定年で会社を去る人数相当の数倍の人数を新卒で採用して規模を拡大することが可能でした。
経済成長真只中では、職業適正というより気合いで働いていた感じです。
使えない社員のレッテルを貼られる人も多くはなかった。
何はともあれ、企業側も雇用される側も幸せ(と思っていた)だったわけです。
現代の日本の国情を見てください。
トップ争いをしていたのは今は昔。
2020年時の国際競争力は34位という体たらくぶりです。
政治の無策が原因で少子高齢化社会がやってきてしまい、1990年台に湯水の如く箱物に使い込んだ税金の後始末のために重税を課されている始末。
政治家のお膝元の建設業界への究極の忖度の代償なのです。
少子高齢化のための重税と偽ってこんな失態の尻拭いをさせられても大きな混乱が起きないのは、日本の大半を占めるサラリーマンからの取りっぱぐれがないからです。
そのサラリーマンたちも、支払っている税金や社会保障費にはあまり気には留めず手取りだけを見ているから、国にとっては都合が良いわけです。
そんなわけで、新浪剛史社長の発言で一番困るのは国なのです。
定年を延長して安定した税金を払ってもらうことしか考えていないからなんです。
だからお抱えのメディアや評論家を使ってすぐに吊し上げる体制を作るわけです。
新浪社長は45歳で首切りしようとしているぞ!!
とんでもないぞ!!
ってな感じです。
サラリーマンが目覚める事
会社が利益を上げて、その中から賃金を払います。
利益より賃金相当分が大きいことが長く続けば、会社は倒産します。
Covid-19で苦しんでいる企業は利益より賃金相当分が大きい状態にあります。
一部の業種、例えば航空会社などは航空機のリース代金や原価償却費に苦しむことになります。
厳密には減価償却費は現金の移動がありませんからキャッシュフローには影響しませんが、航空機は高価なためリース会社に購入を肩代わりしてもらい、分割で支払う形でリース代金を支払っていることが多いので人件費以上に重くのしかかっています。
スカイマークが倒産した原因はこれでした。
アメリカのデルタ航空が、コロナが落ちついて需要が活発になってきたからパイロットを1000人採用するなんてニュースがありましたが、苦しくなった瞬間にレイオフしたから足りなくなったわけです。
アメリカの雇用システムでは従業員は守られません。
超高額の報酬をもらっているCEOは平気で従業員を解雇します。
会社への愛や忠誠心など、育つはずもありません。
誰のための会社なのか?
株主?、従業員?、お客様?、それとも役員たちのもの?
私は従業員のものであることが望ましいと思っています。
もしそうであるなららば、会社が長期にわたって繁栄し続けるために何をすべきなのかを考える人が増えます。
何をしても一定の給料を貰い続けることができる環境に置かれた人間は本気で働くでしょうか?
日本人の国民性で今までの日本企業は成長してきましたが、ぬくぬくと守られた環境によって残念ながらお荷物になる中高年社員が増えてきてしまったのが国際競争力34位につながっているのだと思います。
45歳定年はWINWIN
おそらくですが、新浪社長はこんなモデルを考えていると思います。
1 定年後は個人事業主として契約を行い、仕事内容は変わらない。
2 報酬は、「基本給+各種手当+福利厚生分の金額+社会保険料の会社負担分」
3 個人事業主だから報酬の60%近くを経費計上することで、税率も下がり手取りは50%近く上がる。
4 45歳定年を見据えて準備していた社員は、退職金を貰って会社を離れることもできる。
こんな感じです。
就職して20年も頑張っていれば、見える世界も変わっているし引き出しもたくさんあります。
45歳に転機が訪れるとわかっていれば、準備を始めると思うのです。
新しいシステムを覚えないなんて選択肢は無くなってくる。
これだけでダメ社員は確実に減り、会社は繁栄して給料も増えるというわけです。
会社側は人を採用する事に積極的になれるから、派遣が必要なくなるでしょう。
ハンデを持っている人や、特殊な環境で働かなくてはいけない人は、しっかり守られるような法律を作ればいいんです。
これらを実現するために最も大切なのは教育です。
家庭環境に左右されにくい教育システムの構築にLMSが役に立つと前回の記事で書きました。
生涯教育という形で社会人が勉強できる仕組みを整えることで、45歳になった時に起業できる知識と経験を持たせたり、自社の社員のレベルアップを図ることがLMSによって実現できます。
変わる事を恐れて反対していると、スタートダッシュで遅れをとることになります。
世界が変わっている中で、愛情と繁栄の良いとこ採りをしようという発想が45歳定年だと思います。
一番変わらなければいけないのは政治ですけどね。
こいつも変わりそうな予感があります、ね。
皆さまはどう思いますか?