飲食店の苦悩その2

芳醇な香りの秘密

今ピッツアの味で悩んでいる方にお教えします。

引き算の料理は簡単ではありませんが、掴んでしまえば強みになります。

発酵、熟成した生地は発酵バターのような芳醇な香りを放ち、嘘みたいに軽い。

アメリカンピザを思い出してください。

これはこれで美味しいですが、まったくの別物。

足し算の料理です。

発酵を促すためと、足りない発酵による甘みを補う砂糖。

これは反則技で、小麦粉の一部が発酵して化けるのに、砂糖が発酵している。

足りない味を砂糖やバターで補う。

複雑極まりない味になるわけない。

砂糖の甘味、バターの香り(足してるからね)。

そして重い。

小麦粉、酵母、塩、水のみを使用したナポリピッツアの生地は、複雑な香りと味、そして軽さが特徴です。

400℃の釜に入れた瞬間から生地が弾けてポツポツと焦げができる。

生きている、熟成が進んだ生地の証拠。

秘密は『発酵終了後、1℃で4日間湿度に気をつけながら保存』

息子が冷蔵庫の奥に忘れた生地に、熟成という変化が生まれたのです。

冷蔵庫に忘れた生地

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https://keiken.blog/2020/12/22/%e9%a3%b2%e9%a3%9f%e5%ba%97%e3%81%ae%e8%8b%a6%e6%82%a9/

美味しいピッツアは成形しにくい。

ここポイント。

発酵の後に低温熟成させてください。

絶対に足し算の生地では作れない複雑な香りと軽さの生地ができます。

ブラウンスイス

流行っていない店でしたが、頻繁に来ていただいていたご家族がいらっしゃいました。

ワイン好きで、ピッツアは塩とオリーブオイルだけの素焼き。

でも、高価なものばかり頼んでくださる。

ある日その中のお一人がこうおっしゃいました。

『うちのミルクでチーズ作ってよ。ミルクはタダでいくらでもあげるから』

意味がわかりませんでしたが、どうやら牧場を経営されているようでした。

向こうは泥酔😄

こっちは素面。

お帰りになられたあと(深夜1時)片付けを終えて、いただいた名刺の牧場を検索。

年商130億円、日本で3番目の売り上げを誇る牧場。

5500頭の牛。

豊後牛の肥育も手がけている。

???????

眠れなかった。

明るくなったのを待って電話。

『昨日仰ったこと覚えてます?』

そう聞きました。

『あたりまえだよ。遊びに来ないか?』

店のある街にこんなに大きな牧場があるなんて知りませんでした。

日本に400頭しかいない牛『ブラウンスイス種』

リッチなミルクはモッツァレラチーズ、プリン、マスカルポーネチーズ、ジェラートなどに大変身。

素材がどんどんオリジナルに入れ替わり、店の商品も変貌を遂げていきました。

外国人受け入れ

ここまで大きな会社になると、海外との付き合いも半端ではありません。

オーストラリアから牛を買い、アメリカ、スペイン、ベトナムから牧草を買う。

アメリカとベトナムに会社を持ち、人が頻繁に行き来する。

気がつけば、店は外国人の溜まり場状態。

社長さまが

『こんな田舎町に英語を話せる家族がいたとは驚きだ!!』

って言ってから、どんどん送り込んでくれるように。

金に糸目をつけないから店も繁盛。

釣られるように一般のお客様も見える。

いつの間にか、九州全域、山口県から食べに来ていただけるようになりました。

ある日は田舎道に真っ赤なフェラーリが爆音を轟かせて来店。

福岡からのお客様で、次からは泊まりでご来店いただけるように。

『お前のところの料理はワイン抜きではきつい』

経営者のお客様が多かったのも特徴でした。

苦悩その2

店は流行り始めると家にいる時間が短くなります。

妻のリハビリが疎かになってくる。

体もキツくなってくる。

睡眠時間を削るようになっていきました。

続く

いとよりの味噌焼き

昨日は大きなフィルムコーティングのテストがあって、家に着いたのは9時半くらい。

疲れていたのに、頼んでおいた『豊洲市場.com』からお任せ魚詰め合わせが届いていました。

だるかったけれど、いなだ、真鰯、イトヨリなど5種類をさばきました。

真鰯はそのまま刺身ですぐにペロリ。

夜10時過ぎていたのに、3人の胃袋にあっさり治りました。

いなだはボリュームがあるので、正月用に瞬間冷凍。

いとよりはコンパクトだったので味噌漬けにしました。

今日の弁当に納めます。

今日は全員出かけるので3人分の弁当を作りました。

メニューはこちら。

Making ofを撮影する余裕がなかったのでいきなり完成版です。

それでは行ってきます。

飲食店の苦悩その1

万事休す

あと2ヶ月で資金ショートする。

ナポリピッツアの店が軌道に乗らず、そこまで追い詰められていました。

個人事業主ですから、資金ショートの意味するところは明らかです。

『家族をどうやって養おう』

『妻はどうなってしまうのか?』

不安が増幅して、気が狂いそうになります。

コロナ禍にあって、こんな思いの飲食店経営者が無数にいると思うと心が痛みます。

努力の範疇を超えています。

だからこそ、努力できるところまで引っ張ってあげてほしい。

市場が自由でいられない今だけは、政治が頭とお金を使って欲しいと思います。

帰国

アメリカの医療機関に数千万円の支払いをしました。

現金では足りず、売れる限りの有価証券を手放して、最悪家を売るか担保にして借金するしかない。

追い込まれながら、何とか支払うことができました。

借金はしなくて済みましたが、日本に帰って無職で暮らすには心細い金額でした。

帰国後いろいろな手続きに入りました。

妻の保険金支払い請求。

これには驚きました。

日本に住んでれば、健康保険に守られて、医療保険の支払い金額はお釣りがくるほど手厚く支払われます(加入内容によります)

医療費が桁違いのアメリカで支払った金額に対して、手元に入ってきた医療保険の支払額は焼け石に水でした。

アメリカで、気が遠くなる金額の支払いを続けていた時、USD1000(約10万円)の救急車代金が端金に思えた。

あの時の感覚に引き戻されました。

家族の渡米に際して、駐在は長くないと踏んでいたので、合法的に年金支払いを休止していました。

したがって障害年金も全く支給されず。

1種1級障害ですから、頂けない金額は大きい。

当てが一つずつ外れて行きました。

家内が倒れてから、家内の心配とお金の心配が途切れる事なく押し寄せていました。

人生終わったと決めつけていて、妻には笑顔でリハビリをサポートして、一人では死にたくて仕方がない、メンタルが不安定な時期でもありました。

子供達が居なかったら、私はあってはならない事をしでかしていたかもしれません。

出店

経済的に少しずつ首が絞まりながら、毎日が過ぎていきました。

収入ゼロなので所持金が減っていく。

ただでさえ辛い家内に、我慢させる事も辛い。

家庭教師、肉体労働、道路清掃、交通整理等、働く術を探りましたが、田舎町ですからそんなに仕事はありません。

子供達の学校にもお金がかかるし、家内はまだまだ1人でいられる状態ではない。

家内の親父さんが営んでいた居酒屋の古い店舗が遊んでいました。

考えて考えて、フリーズした頭で考えて、店内改装をしてナポリピッツァの店を始めることに。

お世話になっていたイタリアの会社の社長さんが石窯を送ってくれる事になり、いよいよ逃げられない状況に追い込まれました。

営業開始

石窯で焼けばどんなピザでも美味しいだろう。

本当に浅はかでした。

ピザ屋なのにピザに自信がありません。

ランチではイタリアで覚えた手打ちパスタが少し出て、ピッツァは全く。

夜は殆どお客様が来ません。

お酒を飲んでいただきたいのに、田舎町ですから運転して来るしかない。

お客様は来なくても、窯を温めておかなければならず、薪代はかさみます。

仕込んだ生地も捨てる事が多く、どんどん縮小。

この町に石窯を備えたピザ屋はないから、絶対に流行ると思ったけど、ニーズがないから店がないだけ。

店の改装費用でもっと目減りした少ない資金が、時限爆弾のように減っていく。

ピザ屋なのにピザが美味くない。

まずいとは言わないけれど、感動はしない。

ナポリで食べて感動したあのピッツアには程遠い代物でした。

奇跡その1

生地の配合を変えたり、粉を変えたり、酵母を変えたり、考えられることは全て試したと思います。

自分が満足できないのに、お客様が満足する筈がありません。

香ばしくて軽い、足し算では出せない特別な香り。

一気に食べ切ってしまう程の美味しさ。

自家農園で育てているバジル、プーリア州のトマト、こだわりのモッツアレラチーズ、そして自慢(になる筈)の生地。

モッツアレラチーズと生地を極めるため、寝る間も惜しんで研究しました。

しかし、捨てる生地が増えるだけ。

焦りました。

勿体無いから昼も夜もピザ。

ある日、冷蔵庫の奥に忘れられた生地がありました。

息子が忘れたもの。

『こんなの出せないから食うぞ』

そう言って成形に入りました。

元気が無い成形しにくい生地です。

なんとか形にして400℃の窯の中に。

一瞬でわかりました。

元気よく弾けて、一気に良い香りが立ち上ります。

『これだ!!!』

軽くて香ばしい生地。

焼き上がって口に入れた瞬間、出会えないと諦めかけていたナポリで食べたあの味でした。

雑誌掲載(広告ではありません)、テレビ取材をきっかけにお客様が増え始めました。

店の窮地は脱することができました。

それから起こる数々の奇跡を書いていきます。

第一話はこの辺りで。

飲食店の苦悩その2に続きます。

結婚して杉並区堀之内の小さなアパートで暮らしていた私の父と母。

高円寺駅から歩いて15分くらいだったといいます。

環七通りが建設中で、都電が走っていたそうです。

都電の軌道をそのまま地下に埋めたのが、東京メトロ丸の内線。

営団地下鉄と呼ばれていました。

が、当時はまだ地下鉄はありませんでした。

近くの妙法寺というお寺の境内で撮られた、ベビーカー(当時は乳母車といいました)に乗せられた私の写真があります。

月曜から土曜日まで、毎日毎日夜8時まで残業して頑張っていた父。

技術者として働いていました。

私は新宿にある東京医科大病院で産声を上げました。

働け働けの時代です。

父は私が生まれた時も働いていたそうです。

すでに二つの縁があるのです。

一つ目は、家内がアメリカで倒れて帰国して、脳卒中後疼痛で苦しんでペインクリニックにかかって、縁あって東京に引っ越して、ペインクリニックの先生が書いてくれた紹介状の宛先が『東京医科大病院』

不思議な気持ちで自分が生まれた病院の門を潜ったのです。

二つ目は、杉並区堀之内。

私が生まれた時に住んでいた街。

父は埼玉県朝霞市に家を買い、私が2歳の時に引っ越したため、私の記憶に高円寺はありませんでした。

両親に高円寺の話は聞かされていましたが、高円寺の土を踏むことはありませんでした。

通っていた大学は新宿区にあったのにです。

家内が倒れて、家内の実家のある町に引っ越して、無職でリハビリをサポートしていたことは書きました。

https://keiken.blog/2020/11/21/example-post-3/

そのあとナポリピッツアの店を開き、家族総出で頑張っていました。

経営も安定して、なんとか食べていけるようになった頃、ある方を通じてメッセージがもたらされます。

ヨーロッパから帰って独立した頃に、私の技術者としての腕を買っていただいてくれていた社長様からでした。

『ひと月に何回大分と東京を行ったり来たりしても良いからうちへこい!!』

というものでした。

知らなかったのですが、その会社の所在地は杉並区堀之内でした。

こんな縁ってありますか?

妻の病気をきっかけにして、私は自分の原点に戻ることになるのです。

技術者

私が若い頃、父親の仕事が嫌いでした。

毎日帰るのが遅く、一緒に晩御飯を食べた記憶は数えるほどでした。

航空機のエンジンを作る父の会社は、超有名な会社です。

工場見学に連れて行ってくれても

『油臭い場所で嫌だ!!』

なんて、生意気な口をきいていました。

パイロットになりたくて頑張りましたが力及ばず。

気がついてみれば父と同じ機械系技術者になっていました。

気がついてみれば、油の匂いが大好きになりました。

気がついてみれば遅くまで仕事をしていました。

4年前に心臓の大手術を経験した父。

隣で心配そうに支えた母。

社会人になってから5年は九州、10年はヨーロッパ、5年はアメリカ(家族は2年)と、全然両親の近くにいなかった親不孝者。

今生きてくれている幸せ。

どんどん小さくなっていく両親(Rumikoさんの受け売りです)を心配する毎日。

毎週末は実家に通います。

家内を一人にする不安はあるけれど、今しかない。

片足が痛くて歩き方がおかしい母。

妻を見続けて、川平先生直々にリハビリを学んだ私。

このために生きてきた人生なのかと不思議に感じる今日この頃。

宇宙なんて大きなことは言わないけれど、繋がっている。

たくさんの愛情を受けて育ち、たくさんの愛情を注ぎ返す。

家族にも両親にも。

生きていてくれてありがとう。

妻に、父に、母にそして子供達に捧げます。

素晴らしいシナリオを描いてくださって感謝します。

神様ありがとう

夜のうちに弁当を作りました

娘が明日早朝に家を出るからと言って21時に寝ました。

マウスを使った研究も大詰めで、かなり疲れている。

『昼は適当に食べるから大丈夫!!』

そう言っていました。

『わかった、おやすみ』

そう言って納得したものの。

昼の時間も惜しんで研究してるから、カップラーメンとかコンビニ弁当で済ますに違いない。

疲れたメンタルがもっと悪くなると思ったので、バランス弁当作りました。

圧力釜で玄米ご飯炊いて、

根菜を蜂蜜と出汁、少々のミネラル塩で煮て

味噌に漬け込んだ鳥もも肉を魚グリルで焼いて

だし巻き卵を焼いて

詰め合わせて

ラディシュで色合いを整えました。

以上!!

試練を乗り越えるか逃げるか〜心労で髪の毛真っ白の巻

今日はリビング内の引っ越しをしました。

妻の作業机の位置が床暖房から外れていて、寒くて集中できないから。

ほんの少し前までは、床暖房だけで部屋全てが温まったのに、流石に本格的な寒さには対応できませんでした。

私の仕事机は小さな電気ストーブで温めるから動かさずに、温々とぬるま湯に浸かっている本棚を妻の机がある場所に移動して、入れ替えました。

netdedusselさんにお送りするお手玉の製作も暖かい環境で進められます。

netdedusselさん、お待たせして申し訳ありません。今しばらくお待ちください。

午前中目一杯作業したので、ランチはささっとアーリオオーリオペペロンチーノ。

茹で時間7分プラス1分で出来ました。

ポイントは潰したニンニクと鷹の爪で風味を纏わせたオリーブオイルと麺の茹で汁の乳化。

茹で上がりにドンピシャで乳化が完了するように時間を合わせます。

まろやかに、そして香りが引き立ちます。

脂っこさが消えてなくなります。

乳化剤を使わない乳化なので、分離する前に食べ終わります。

プチトマトが沢山あったので、アーリオオーリオペペロンチーノロッソになりました。

ボンゴレロッソアサリ抜き^ ^

ボロボロでしたよ

『ブログ〜人生の宝物』では、私たちの歴史を意図的に時間を飛ばしながらご紹介しています。

古い順から先入れ先出しで紹介してしまうと、朝ドラの第1週のように『つまらないかも』って思わせてしまいそうで。

書きながら記憶がどんどん蘇ってくるので、後から内容を挿入するには小説調では難しい。

いきなり壮絶なページから私達のブログにお越しいただいて、コメントくださる方々はとても驚かれた様子です。

読んでくださる方々のショックを和らげる目的もあって、内容に緩急を組み合わせて読んでいただければと思っています。

楽しい思い出も数え切れないほどありましたからね。これからもですけど。

初めて私達のブログにお越しくださった方は、全部読んで欲しいですが、とりあえずサクッとこの3編を読んでいただけるとありがたいです。

https://keiken.blog/2020/12/10/片手で創作するということ〜目覚めてからの試練/

https://keiken.blog/2020/12/11/片手で創作するということ〜目覚めてからの試練-2/

https://keiken.blog/2020/12/11/片手で創作するということ〜目覚めてからの試練-3/

『私だったら耐えられないかも』みたいなコメントを頂きます。

読んでいただいて、自分に置き換えて想像してくださるのはとても嬉しいですし、ブログを書く張り合いにつながります。

正直申し上げます。

私の場合、挫けっぱなしの人生です。

家内が倒れる前も倒れてからも、試練が訪れるたびにへなへなになってました。

ぐいぐい力強く前に進んでいるわけではございません。

チャレンジして、挫けて、チャレンジして、挫けての繰り返し。

42歳で半身麻痺になった妻は、病気のせいで髪の毛真っ白です。

染めてますけど。

私は時を同じくして、心労で髪の毛真っ白です。

グレーに染めてますけどね(^.^) 

白髪が目立つようになったというレベルではなくて、真っ白です。

真っ白になった時、人に言われるまで気が付きませんでした。

それくらい自分を見つめる余裕がなかったんです。

王妃マリーアントワネットが死刑を宣告された時、ショックで一夜で白髪になったという有名な逸話があります。

一夜はあり得ないですが、本当にあるんです。

かなり山あり谷ありの人生を歩んでいるので、生半可なことではへこたれない自信みたいなものはあるのですが、何かが起こるたびに『今回は乗り越えられないかも?』って思います。

『何故、自分に降りて来る試練の大きさが毎回大きくなってるわけ?』

そう思うわけですよ。

でも当たり前なんです。

試練って、乗り越えてしまえば次は試練に感じない。

自力であっさり越えられるからです。

逃げてると、毎回毎回小さなことに躓いてしまうわけです。

偉そうに言っている私は、逃げなかったわけでは無く、逃げられなかっただけですけどね。

苦労は買ってでもしろ??

買うわけないでしょ。

成長を早めたいから苦労させてくださいって?

あなたは天才です。

頭がフリーズ

試練が立ち塞がると、私の頭がフリーズします。

客観的にものを見る事ができなくなる。

目の前の問題しか見えない。

本当に不器用です。

結果的に乗り越えられているから経験値はかなり高くなるので、悪いことだけではないのですが、随分と遠回りしながら試練から抜け出すこともあります。

痛みが大きすぎると耐えられないから、人間は大きな傷を負ったりすると気を失うように出来ていますよね。

それと同じなのかな?フリーズする事実。

精神的ショックから目を逸らす意味で。

神様からすれば、私に試練を与えているのに、したたかに、ずる賢く避けて通ったら意味がない。

経験しろ!!

って言われているのだと、最近は諦めてフリーズした頭と付き合っています。

いらん知恵を絞らないで真っ向勝負で立ち向かうってことです。

頭が悪いのもかなりあるけれど、抜け出した後はアイデアもそれなりに出てくるし、先回りも出来るから、頭が悪いだけではなさそうだと。

神様の仕業だと(勝手に)思っています。

調子良い解釈ですけど。

皆様はどう思いますか?

痛み〜脳卒中後疼痛

脳卒中後疼痛

脳卒中をはじめとする脳血管障害は、その高い発症率だけでなく、麻痺や記憶障害等の重い後遺症を誘発しやすい疾患であり、「寝たきり」になる疾患の第1位に位置する。脳卒中後の後遺症のひとつである脳卒中後疼痛     (CPSP)は、神経障害性疼痛に分類され、従来の薬物治療に対して難治性を示す。現状においては、いずれの薬剤も、完全な疼痛の寛解は困難であり、患者のquality of lifeを著しく低下させる。

日本緩和医療薬学雑誌 神戸学院大学薬学部臨床学研究室 原田慎一、中本賀寿夫、徳山尚吾著

同じ論文の一説には

〜CPSPの激しい痛みによる精神的な苦痛から、自殺傾向が強くなるという報告もなされている。〜  

※論文の句読点は , . が使用されますが、ブログ転載の際に、。に変更させていただきました。

ともあります。

一番近くにいる私でも、痛みの辛さを完全に共有することはできません。

だからこそ痛みは厄介なのです。

『現時点で治すことはできないんです』

患者に伝える方も辛いでしょうが、受け止める方は遥かに辛い。

痛みへの現代医学のアプローチは、現時点では間違っているとしか言いようがありません。

何故か?

抗鬱薬や抗てんかん薬まで処方している。

抗鬱薬でうつ病が治った話聞いたことありますか?

薬の乱発でたくさんの不幸が発生している。

なのに何故?

短期的に乗り越えるための副作用ならまだしも、続けなければならない薬の副作用が大きすぎる。

とりあえず痛みを取ろうと頑張ってくれているのは理解できる。

でも、アトピーに副腎皮質ホルモンを処方するのと同じ。

足りない物を外部から与えてしまったら、足りないものはもっと作り出せなくなるのに。

貧しい人にお金を与えるのではなく、教育を提供して持続可能な幸せを提供する。

みたいな考え方が必要だと思うんです。

そうなんです。SDGsとは真逆のアプローチをやっている。

慢性的な疾患には現代医学は無力なんです。

自殺の可能性が高いってわかっているのに『治せません』は酷ですよ。

髪振り乱して試す

片っ端から試した事をまとめます。

西洋薬は無力だったから書きません。

  • 漢方中心のペインクリニック
  • 漢方オンリーのペインクリニック
  • 煎じ漢方のペインクリニック
  • 『これは絶対に効く!!』といわれた複数のMLMのサプリ
  • とある新興宗教
  • とある健康集団〜宗教風
  • Oリングテストを使ったレメディ(ホメオパシー)
  • 気功
  • Reiki
  • 大阪大学、斉藤洋一教授の『難治性神経障害性疼痛に対する反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)』の治験
  • 脊髄刺激療法(SCS)
  • YNSA

漢方

漢方は基本、体を温める方向で進んでいきました。

『風呂に入っている間に痛みが和らぐ』事実を捉えて、四物湯をベースに無数の組み合わせが試されました。

副作用が少ないため、長期にわたってトライしましたが、残念ながら痛みを鎮めることはできず、漢方による痛み緩和を断念しました。

MLM、新興宗教

側から見ると滑稽ですが、藁をも掴む思いで試しました。

MLMに関しては、一人たりとも紹介せずに商品を試しました。

宗教は言わずもがなですが、Reikiという真っ当な民間療法がベースである事がわかり、成果はありました。

MLMの皆様はお金を稼ぐ目的で、宗教の皆様は救われたいという目的でメンバーになっていますから、どちらかというと後者の方が気持的には救われました。

でも効果なしでしたので、もちろんきっぱりと丁重に入信をお断りしました。

治験、脊髄刺激療法

斉藤教授の治験は断られました。

理由はシンプル。

微妙なニュアンスの表現ができない(失語症)ため、治験には向かない。

代わりに勧められた脊髄刺激療法にすがり、手術を受けましたが、痛みは和らぎませんでした。

電極は今も妻の体に中に居ます。

Reiki

てかざし療法と言われるやつです。

日本ではいくつかの新興宗教に利用されていますが、海外に渡って今も生き続けています。

これは本当に効果があります。

離れていても効果を実感できます。

妻が本当にきついときは、たっぷりとReikiに時間を費やして癒します。

ホメオパシー

残念ながら妻には全く効果がありませんでした。

鍼灸

痛み(脳卒中後疼痛)には残念ながら効きませんでした。

リラックス効果は抜群。

YNSA

脳の一部がダメージを受けると、さまざまなセンサが敏感になるようです。

眠っていた潜在的な感性が磨かれるメリットもあるけれど、辛さも半端ない。

低気圧に異常反応するようになってしまって、応急策と分かってっていながら酸素カプセルで一瞬でも良いから良くしてあげたい(低い気圧を上げてあげる)と新宿のサロンに通いはじめた時の事。

家内がカプセルに入っている時間は1時間。

私はその間はやる事がないので、近くにある紀伊国屋書店で時間を潰します。

そこでこんな本を発見。

見るからに胡散臭い宗教勧誘のようなフレーズ。

何度も前を通り過ぎながら牽制。

気になりすぎて結局購入。

ダメ元だ、読んでみよう。

それがYNSAとの出会いです。

Yamamoto New Scalp Acupuncture

『山本式新頭皮鍼』

宮崎県にいらっしゃる山本敏勝先生が提唱した、頭皮に鍼を打つ療法。

特筆すべきはドイツやブラジル、アメリカ等14カ国で医療として導入されています。

ドイツ、ブラジルに至っては保険適用。

ハーバード大学医学部やケルン大学でも高く評価されています。

なのに日本では知名度なし。

今の本には書いていないのですが、当時の本にはYNSAを導入している鍼灸院などがリストになって記されていました。

中井という駅(西武新宿線、都営大江戸線)にある鍼灸院を発見。

すぐに電話。

妻の境遇を聞いて泣いてくれる女性経営者。

『半額にしてあげるから沢山来なさい』とまで言ってくれて甘えさせていただいています。

今は少し麻痺気味ですが、確実に効果が出る。

薬使わずに良くなられては◯◯業界は商売上がったり。

良くは思われないだろうな。

でも、頭に刺さった無数の鍼は圧巻です。

薬を使わない疼痛の寛解法。

ご存知の方ご連絡お願いいたします。

鋭意募集中です。

弁当作った残り物

昨日は遅くまで仕事をしていて、ブログも書かず弁当の準備もしないまま疲れて寝てしまいました。

朝のルーチンを一通り終えてコーヒーを淹れました。

新鮮なコーヒー豆をミルで挽いてハンドドリップします。

浅煎りのホンジュラス。90℃を少し下回るようにポタポタと少量ずつドリップ。

この泡立ちは豆が新鮮な証拠です。

早朝は自分一人の時間帯なので、忙しい1日が始まる前のリラックスタイムです。

一瞬だけど(^.^)

冷蔵庫を覗くと鶏胸肉も鶏モモ肉も切らしていて、冷凍の鯖切り身もない。

あいちゃん農園の美しい野菜いっぱいと豚バラほんの少し、そして卵。

先ずは卵4個でだし巻き作り。

並行して根菜に塩とオリーブオイルを振りかけてレンジへGO。

もう一つ並行して、娘が洗っておいてくれた玄米を圧力鍋で炊きます。

だし巻きを作りながらメニューを考えます。

レンジにいる野菜にトマトと豚肉を足して出汁でさっと煮て、トマトで酸味の加わっただし汁にとろみをつけようと思いつきました。

出汁は鰹粉と干し椎茸の戻し汁、味醂と蜂蜜を加えて酸味が立ちすぎないように。

両方出来上がって気がついた。

娘は(珍しく)休みで自分はテレワーク。

弁当は妻の分だけで良かった。

作りすぎたー。

弁当箱に詰めた余りを皿に雑に移し替えて、だし巻きも皿の淵に仮置き。

ちょっと綺麗じゃん。

もう少し少量をおしゃれに盛った方が…

あくまでも残り物を雑に移し替えただけ。

それにしてはですが、まあまあ綺麗かな。

冬の紅芯大根とかぼちゃは美味しいですよ。

写真のお裾分けです。

障害を持つ人のご家族が明るい理由

家族が病気で障害を持ってしまった。

待ち望んで生まれてきてくれた子が障害を持っていた。

家族が大きな事故に遭って障害を持ってしまった。

言葉では伝わらないかもしれませんが、瞬間は頭が真っ白になってしまうことでしょう。

というわけで、ご家族は重い荷物を背負ってしまったわけで、暗い家族に違いないと思っていませんか?

障害福祉会館

家内は週3回、区の障害福祉会館へ出かけます。

一通りのリハビリをした後は、個々のやりたいことを尊重してくれて絵とか陶芸なんかをやらせてもらえます。

そこで革細工を所望してカメラケースを作ってくれたわけです。

下記はカメラケースについて書いています。技術はまだまだですが、私にとっては宝物です。

https://keiken.blog/2020/12/04/家内が片手で作ってくれたカメラケース/

今はコロナ禍なので無理ですが、普通は会館のお祭りなんかがあって、そこで披露させてもらうのです。

一般の方々も沢山お越しいただけるので、皆頑張って出し物を完成させます。

妻のがま口も20個試しに出品させて頂いたら、あっさり完売してしまって、自信に繋がったのでした。

恥ずかしい話、会館に通うということに関して、最初は時間潰しくらいにしか期待していませんでした。

会館の熱量を感じた時は鳥肌が立つくらい感動しました。

バザーで売るお菓子なんかも障害を持つメンバーが作って売るのですが、ちょっと素人っぽい味だったので、昔取った杵柄で妻がメンバーに本格レシピを伝授!!

当日はレシピを作って技術提供した妻を紹介したポスターまで貼ってくれて。

がま口販売が忙しくて、一息ついたので買いに行ってみると、既に完売していました。

喜びには色々な形があるけれど、彼女はこういったことに喜びを感じているみたいで、痛みを忘れることができるのだそうです。

下記は痛みに関して書いています。よろしかったら読んでみてください。

https://keiken.blog/2020/12/11/片手で創作するということ〜目覚めてからの試練-3/

ルコントのシェフパティシエ、タイユバンロブション(現ジョエルロブション)のシェフパティシエを務めてきた名パティシエのジャンポールチェボーさんです。

以前は六本木にスタジオがありました。

今は下総中山。

https://www.facebook.com/ジャンポールチェボー-583677224981963/

妥協を許さない(間違っても、原価が上がってもマーガリンなんか使わない)姿勢で、本物のフランス菓子を作り続けていらっしゃいます。

ジャンポールさんのお菓子(≒妻のお菓子)を食べ慣れてしまうと、何かが混ざっているお菓子を食べただけでわかるんです。

本物のバタークリームは絶品ですよ。

障害福祉会館40周年祭り、開会のくす玉割りを終えて満足

明るいご家族、スタッフ

会館に行くたびに涙してしまう事があります。

スタッフが皆明るい。

努めて明るくしているのもあるかもしれませんが、絶対にそれだけではない。

重度の障害を持つ方のご家族もよく会館にお越しになるのですが、例外なく明るい。

考えてみたら、ウチも結構明るいわー。

なぜだろう?

色々大変だし、お金ないし、将来不安しかないし。

でも明るいな。

人間の根本というか、日々の忙しい生活で忘れがちな小さな喜びを味わう事が出来ているからかな?

障害福祉会館に行くと必ず『頑張ろう!!』って気持ちになります。

パワーをもらえる。

人々の心を洗う仕事をしている彼ら(彼女ら)は、人々にパワーを与える役割も担っているのだろうと思うのです。

『助けてあげよう』なんて上から目線はダメですよ。

結局は助けてもらうのですから。

同じ目線で接すると、見えなくなっていた様々な事が見えるようになります。

やっぱり神さまが送り込む分身は凄いわ。

障害者の仕事〜人の心を洗う仕事

人の心を洗う仕事

障害を持った人は、生産性の点から考えると端っこに追いやられる存在かもしれません。

でも、違った見方ができると思うのです。

というか、これが本質だと思います。

周りの人の心を洗う仕事をしているのだと。

体が不自由で歩くのが遅い人の後ろを歩いてイライラする若者。

一部の人は露骨に無理やり追い抜いていきます。

もしその人が交通事故に遭って大きな障害が残ってしまったら。

心も病んでしまったら。

その時やっと気づくのでしょうか?

人は愚かな生き物です。

自分でも嫌になります。

経験しないとわからない事だらけで、いくら言われたって感じない。

でも、困っている人を少しでも助けてあげたいと思ったら、勇気を出して声をかけてみる。

余計なお世話かもしれないけれど、助かるかもしれない。

誰かを助けて喜んでもらったことが、自分の心を少しだけ洗うのです。

洗われた心は、困っている人たちがもっと気になるようになってくる。

障害を持った人たちは、辛い境遇を引き受けてまで人の心を洗う為にこの世に生きているのだと言うこと。

大変な仕事だと思いませんか?

その人達がいてくれるおかげで、私達は自分だけでなく人の苦しみがわかるようになれるのですよ。

少しだけ立ち止まって、少しだけ勇気を出して。

困っている人に声をかけてあげてください。

喜んでくれると思います。

それが彼らの仕事なんです。

あなたの心を洗うために存在してくれているのです。

芸術と同じかな。

辻井伸行さんや野田あすかさんの出す音色って、心に刺さってきますよね。

自然と涙が出る美しい音色。

音で心を洗う仕事をしています。

音や作品で人の心を洗う人もいれば、存在や真心で人の心を洗う人もいる。

賢明さに心を打たれたり、ひたむきさに心を打たれたり、優しさに心を打たれたり、人それぞれ。

パラスポーツ選手だって、画家だって、書家だって、音楽家だって信じられない感動を与えてくれる。

神様がこの世に送り込んでいるのです。

芸術家に形を変えて。

そして、全ての障害を持つ人たちが人の心を洗う芸術家なんです。

妻にはいつも心を洗ってもらっています。

人には皆役割があるんです

相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で19人が刺殺された事件は忘れることができません。

『生産性のない重度障害者は生きている価値がないから殺してあげる』そんなニュアンスで植松聖(さとし)被告は19人を殺害したのです。

『生産性』それだけ考えれば殺害された19人は価値がないのかもしれません。

ご家族は重い障害を抱えた家族を抱えて大変だったと思います。

でも、生きてくれているだけで幸せを感じることが出来たでしょうし、お世話を通じて学ぶことも心が洗われることも多々あったと思います。

神様はそんな単純な世界を創造していません。

パレートの法則(80:20の法則)でも明らかです。

お金を生み出せる人だけがこの世にいる世界を想像してください。

世の中には利息を取る側と、取られる側があるっていうけれど、全員が取る側になったらどうなる?

2003年の読売巨人軍。

金に物を言わせて清原和博、江藤智、ペタジーニに加えて、かつて他球団で4番を打った5人を集めました。

投手以外は全員4番。

その発想に似ています。

4番以外はチームに不要!!

でも、こんなに凄い選手を集めたドリームチームは優勝できなかったのです。

その時の監督は現監督の原さん。

任期を全う出来ずに堀内監督にバトンタッチとなりました。

ホームランバッターしか不要なら、イチローさえも用無しですわ。

神様の意思に反してるわけです。

忘れないでください。

障害を持ってこの世に生きていてくれる人々の仕事は『私たちの心を洗うこと』

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